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2018年6月22日 (金)

「お前が言うな!」に潜む危険性

本田圭佑、「試合内容は良くなかった」発言が物議…「一番悪いお前が言うな」「嫌悪感しかない」 Business Journal  (2018.06.20)

 サッカーのロシアW杯で日本が格上コロンビアに勝利した後に行われたインタビューでの、決勝ゴールをアシストした本田圭佑選手の発言がネットで炎上しているという記事。

 本田圭佑選手はインタビューに応えて「勝ち点3をとれたが、内容が悪かった」という内容の発言をした。それに対するネット民の反応を要約すると「お前が言うな」らしい。

 しかし、日本国民全員が「お前が言うな」と思っているわけではないだろう。
少なくとも、本田圭佑選手のインタビューを見ていて思ったのは、「おっしゃる通り!」だった。

「お前が言うな」について考えてみた

 よく聞く言葉だ。サッカー観戦ならまだしも、職場でこの言葉が聞こえたら、どこかに問題が潜んでいる。 ともすれば、合理的な意見が圧殺されている可能性がある。

 「お前が言うな」と言う人は「落ち度がある者は他人を非難すべきではない」と考えているのだろう。 言い換えれば、「人は、落ち度がある人からの意見は合理的でも素直に受け入れられない」と思っている。

発言者\批難・助言 非合理的 合理的
落ち度あり お前が言うな お前が言うな
落ち度なし 黙ってろ おっしゃる通り

 合理的に考えれば、自分に対する意見は誰が言ったかに関係なく聞いて、受け入れるかどうかは合理的に判断すればよい。

発言者\批難・助言 非合理的 合理的
落ち度あり お前が言うな おっしゃる通り
落ち度なし 黙ってろ おっしゃる通り

 ところが、人は、落ち度がある者、自分より下位に位置する者、自分より劣る者の意見は感情が邪魔して素直に受け入れられない。

 つまり、「お前が言うな」と言う人は、合理的な判断より感情的な判断を優先する人と言える。 おそらく、感情的に判断する人の方が多いのではないだろうか。

 合理的な意見を言おうとすると、自分に落ち度がある場合にはなかなか言い難いものだ。 合理的で建設的な意見を持ちながら発言しない人も多いのではないだろうか。

 一方で、自分に落ち度があっても意見が言える人がいる。
その意見が合理的であれば良いのだが、非合理的な意見の場合もある。 往々にして、空気が読めない奴と思われがちだ。 

 しかし、重要なことは、闇雲に圧殺してはいけないということだ。

職場では

 問題は、職場などで組織全体としての判断が必要なときに、「お前が言うな」のような感情を優先した意見に影響されることだ。

 人は感情的な意見に流されやすい。ともすれば感情的な意見に扇動される。 だから、自分のことは棚に上げて、合理的な意見を言う人が必要だ。

 これが最後の良心になることがある。

「お前が言うな」と言われても

 昔は、自分に落ち度がある場合は意見を言わないことにしていた。(我慢できなくなることも多かったのだが...)
しかし、今は考え直して、自分に落ち度があっても合理的な意見を言うようにしている。
それは、発言者の落ち度に関わらず合理的に判断すべし、という自分への戒めでもある。

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