非属の才能 <ただのKYではダメ>
非属の才能 山田玲司 光文社
山田玲司氏は「非属の才能」を
絶対にその人でなければ表現できない、のちにその人そのものが新しいカテゴリーになってしまうような種類の才能。
だとおっしゃる。
この本のはじめににある
- 「空気が読めない奴」と言われたことのあるあなた
- まわりから浮いているあなた
- 「こんな世の中おかしい」と感じているあなた
- 本当は行列なんかに並びたくないと思っているあなた
- のけ者になったことのあるあなた
おめでとうございます。
あなたには〝非属の才能〟があります。
を読むと、「非属の才能」はあるようだ。
この本は誰に向けたものだろうかと考えた。
- より大きな集団に属そうとしている人か、
- 集団に属せなくて悩んでいる人か、
- 誰かを教育する立場の教師や上司か、
- 集団になじめない子を持った親か
経験から言うと、集団に属さなくてはならないと無理をしている人が読むと楽になると思う。
集団に属することが苦手だということを認識しするようになると、集団との間合いを測って、集団のどこに位置するか分かってくる。
それは集団の端であったり、集団からはみ出したところだったり、集団から隔離されたところだったり。
集団からの同調圧力と集団に属したいという欲求が釣り合うところだ。
ところが、いろいろな事情で、集団に属することを迫られるときが来る。
進学や就職、結婚、子供の誕生、昇進等等。
「非属の才能」を持っているからといって、何も考えていないわけではない。皆と違うところで悩んでいるだけだ。
自分を殺して集団に属すると目先の利益はありそうだとか、集団に属すると自分の家族に被害が及ばなくなるとか考える。
そのように迷った時にこの本を読むと、同調圧力に屈するのはもう少し先にしようと思えるのではないだろうか。
山田玲司氏がおっしゃるように、「どこに属しているか」より、「その人個人」の存在が問われるべき時代に必要なのは「同調能力」より「非属の才能」だから、「非属の才能」を手放すのはもう少し先で良い。
ところで、
この本で、山田玲司氏が言いたかったのは、集団に属しながら「非属の才能」を発揮することでであって集団に属さずに生きていく方法ではないと思う。
7章の「非属をつらぬきながら、みんなと幸せに生きる方法」で、山田玲司氏は、同調するべきではないが協調は必要だとおっしゃる。
嫌われ者の変人になってしまうのは、「個人主義の病」にかかった人間だろう。つまり、自立した個人であるのはいいが、自我が強すぎて、まわりとの協調性を軽視してしまうのだ。
この意見には賛成だ。 集団に同調しないで協調することができれば、「非属の才能」を活かして同調圧力の集団の中を自由に行動できるのだろう。引きこもったり、はみ出したり端っこが唯一の居場所でなくなる。
しかし、少なくとも自分の経験では、簡単ではなかった。 皆がそうではないだろうが、
同調圧力の中で、相談する人もない状況で、同調なのか協調なのかを判断することは難しい。 若かった頃にこの判断はできなかった。 今も、自信はない。
同調圧力に屈しない術を習得したり、集団を自分との間合いが分かってくると、同調なのか協調なのか冷静に判断ができるようになる。 そして、「非属の才能」を発揮できるようになる。
それまでは、許容してくれる人を見つけておくことが重要だと思う。 応援してくれるに越したことはないが、とりあえず許容してくれるだけで十分だ。
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