日本軍「戦略なき組織」 検証失敗の本質
日本軍「戦略なき組織」 検証失敗の本質 Harvard Business Review 2011/01
最近、「失敗の本質」(2018/07/11)を読んだので、昔買ったこの本を読んでみた。
「失敗の本質」になかった
- 出身軍隊別:元軍人CEOの適性診断
- 航空決戦と「航空機産業」の崩壊
について考えてみた。
出身軍隊別:元軍人CEOの適性診断
アメリカは今でも世界中で戦争しているから軍隊出身者は多い。軍隊での経験はビジネスでも有効らしく軍隊出身のCEOも多い。 軍隊出身と一括りにはできず、出身軍によって適性が違うという内容。
海軍、空軍出身者は大企業のCEOに多く、陸軍、海兵隊出身者はベンチャーや中小企業のCEOに多いらしい。 海軍、空軍は艦船や航空機を運用するにはシステムが必要で、手順の標準化や規則、規則の順守が重要である。
一方、陸軍、海兵隊は白兵戦を行うから、局地的な戦況に応じて臨機応変な対応が重要である。
海軍、空軍は組織指向、陸軍、海兵隊は目的志向だから、前者は官僚的な大企業に向き、後者は中小企業に向いているという分析だ。
「アメリカ陸軍リーダーシップ」(2018/07/17)で、
このマネジメント手法は合理的な思考を尊重する風土があったり、小規模で意思決定が速い組織ならなら有効だろう。
と書いた。 この見立てはあながち間違っていなようだ。
閑話休題
ウチの仕事はICTでその範囲は広い。 最近感じるのは、インフラ部門とサイバー・セキュリティ部門の意識の差だ。
インフラ(CT)部門はプロトコルとオーダーが重要だ。プロトコルが定められているから異なるメーカが造った装置間で通信できる。 回線を提供しようとすると、複数の場所で、複数の人が作業をしなければならないから、管理部門のオーダーに従って忠実に作業することも重要だ。 そのせいなのか、インフラ部門出身の管理者は総じて官僚的だ。
サイバー・セキュリティ部門は現在進行形の現場で仕事をしているから、自らの判断で作業することが求められる。とくにインシデント・レスポンスでは、いちいち管理部門にお伺いを立てていたのでは被害が拡大してしまう。
米陸軍や米海兵隊のリーダーシップはサイバーセキュリティ部門には有効だが、インフラ部門には有効ではない。
インフラ部門が長い人と話すときには、意識の差に気を付けよう。
- 日本軍「戦略なき組織」 検証失敗の本質 (2018/08/28)
- 日本軍「戦略なき組織」 検証失敗の本質(2) (2018/09/05)
- 失敗の本質 日本軍の組織的研究 (2018/07/11)
« ガラケーの機種変更 | トップページ | バカほど「それ、意味ありますか」と問う(2) »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 責任あるAI <「AI倫理」は「AIを使う人の倫理」>(2021.09.24)
- 好きのパワーは無限大 <笑顔のヒミツがココにある>(2021.06.30)
- AM/FMラジオ&トランスミッタ製作集(2021.06.25)
- 起業の天才(2021.06.23)
- 不屈の棋士 <AIの捉え方と情報リテラシ->(2021.06.06)
コメント