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2018年9月 5日 (水)

日本軍「戦略なき組織」 検証失敗の本質(2)

日本軍「戦略なき組織」 検証失敗の本質 Harvard Business Review 2011/01

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最近、「失敗の本質」(2018/07/11)を読んだので、昔買ったこの本を読んでみた。

失敗の本質」になかった

  • 出身軍隊別:元軍人CEOの適性診断
  • 航空決戦と「航空機産業」の崩壊

について考えてみた。

航空決戦と「航空機産業」の崩壊

 日本海軍が編み出した航空攻撃という戦術は画期的だった。 この戦術を支えているのは、熟練パイロットと零戦をはじめとする航空機だ。

 熟練パイロットの育成には時間がかかるから、戦局が長引くと、熟練パイロットは減る。 また、日本軍の航空機の生産性は低いし、当時の日本は独自に技術革新できるほどの技術的基盤が無かったから、戦局が長引くと、航空機の生産量が少なくなることは予想されたことだ。

 戦局が長期化すると日本の優位性は保てなくなるから、戦局を長期化しない戦略が必要だ。 ところが、停戦という選択肢が無いから戦局は長期化し、熟練パイロットは減り、航空機も減った。

 熟練パイロットの減少は米軍でも同じように問題だが、米国は航空機の生産性を上げ、日本の戦闘機1機に対して複数で戦闘する戦術をとることで未熟なパイロットでも戦闘できるようにした。 一方日本軍は、未熟なパイロットに低性能の機体を与え特攻という戦術を選んだ。 「戦略なきと」言われる所以だ。

 ここから学ぶとすると、

  • 熟練技能者の育成には時間がかかるから、熟練技能者の存在で優位性があるのは短期間であること。
  • 優位性がある間に、新たな戦術を編み出こと。
  • 戦略を変えるために、高性能な装備を配置すること。

を前提に戦略を考えなければならないだろう。

 サイバー・セキュリティ分野では技術者が不足しているから、高度な技術力を持っている技術者(高度技術者)の存在は大きな優位性だといえる。

 サイバー・セキュリティ分野は一時的に優位性があったとしても、技術の移り変わりが速いからいつまでも優位性が保てない。 しかし、サイバーセキュリティ技術者の育成には時間がかかるから、高度技術者の供給は間に合わない。

 今時、高性能な装備は金で解決できるから、装備による優位性は期待できない。

と考えると、もう戦略を変える時期が来ているのだろう。



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