女性が昇任したくない理由 <価値観の多様化にフォーカスすべき>
"昇進はまっぴら"女性社員低モチベの元凶
男勝りな女性管理職は女性に不人気
PRESIDENT Online 小島明子(日本総研)
この記事は
- パソナ キャリアカンパニーの「女性リーダーに関する調査2015」
(https://www.pasonacareer.jp/info/info_20150513/) - 日本総合研究所の「高学歴女性の働き方に関する調査2017」
↑このレポートは見つからなかった。2015のレポートは見つかる - 筆者が行った主任以上の女性に対するインタビュー
を基に女性の管理職に対する認識と女性のキャリアアップ支援ついて論じてある。
の中で女性が「管理職への登用を希望しない理由」の調査結果がある。
↑(https://president.ismcdn.jp/mwimgs/6/0/-/img_60ca8e442101f456750c2f6b86ebf1c473617.jpg)
トップ3は
- 48.4% 出世・昇進に対して関心が無い
- 47.8% 私生活(育児・介護含む)の時間を重視したい
- 45.2% 長時間労働を前提とした働き方は望まない
この問題は女性登用という観点だけではなくもっと一般的な問題ではないかと思う。
管理職への登用を希望しない理由をみると、そのまま男性が登用を望まない理由と同じではないだろうか。 男社会では、管理職への登用を望む者は、社畜になることを求められ、生産性の低い長時間労働や無慈悲な単身赴任に耐える必要があった。(今でも) 一方で、管理職への登用を望まなければ地位や名誉、高給を得ることができなかった。
これが昭和の男社会の唯一の価値観で、管理職になること(上位の役職に就くこと)に価値があるとされていた。
若者を中心に価値観が多様化しているが、男社会はこれを認めようとしなかった。(今でも)
単一の価値観を受け入れて社畜になるという選択をした者にとっては、価値観の多様化は受け入れられない。 また、単一の価値観を受け入れた者が管理職、経営層に上り詰めているから、一向に価値観は多様化しない。
最近になって、政府主導で女性登用という外圧が発生したため、女性の価値観と昭和の男社会の価値観のズレが顕在化している。 これが、この記事の内容であろう。
しかし、ズレているのは女性の価値観だけではなく、既に多くの人の価値観がズレているのではないだろうか。 昭和の男社会の価値観に従って管理職になることで得る利益は払う犠牲を考えるとペイしない人は多くなっている。
女性には「ペイしない」と発言する機会を与えられたと考えることもできる。しかし、「ペイしない」と言い出せずにいる男性は多いのではないだろうか。
女性登用の問題は単に女性の価値観にフォーカスするのではなく、多様な価値観を容認し、なお成果を上げられる社会にすることを考えるべきである。
女性の価値観にフォーカスするのではなく、その先の価値観の多様化を議論しなければ問題を見誤ると思う。
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