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2018年11月12日 (月)

公務員面接を勝ち抜く力 <面接のノウハウ本ではない>

公務員面接を勝ち抜く力 小紫雅史  日本実務出版

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 読み終わったあとの感想は、「役所の仕事って面白そう」。
希望が湧いてくるというか、楽しそうというか、やり甲斐がありそうな仕事というか、役所の仕事って面白そうという感じだ。

 生駒市の採用倍率が関西1位になるのは納得である。

 タイトルは地方自治体職員を志望する人向けだが、対象はもっと広ろく、いろいろな人に向けたメッセージが含まれていると感じる。

  • 生駒市職員になろうとしている人に向けたメッセージ
  • 安定しているという理由で自治体職員を選ぶ人に向けたメッセージ
  • 地方自治体職員になろうとしている人に向けたメッセージ
  • 地方自治体現役職員に向けたメッセージ
  • 生駒市長としての施政方針演説
  • 今後変化する社会を担う人へのメッセージ

など

 小紫雅史氏の未来に対する認識は賛成だ。
生駒市だけに訪れる未来ではなく、全国の地方自治体や民間企業にも訪れる未来だ。つまり、どこにでも、誰にでも訪れるであろう未来だ。

 そして、この本に書かれたことは小紫雅史氏が首長を務める生駒市のあるべき姿に留まらず。日本の自治体のあるべき姿だ。

 

 だから、 生駒市を受験しようとしている人でなくても、まるで自分に向けて書かれた本のように感じるのだろう。

 トップが将来展望と役所のあるべき姿を内外に示すというのは、簡単そうだが、それほど簡単ではないだろう。 いくら麗しいビジョンを語っても、既得権にしがみつく反対勢力や抵抗勢力はいるものだ。  おそらく、市役所職員の中にもいるだろう。

 人間はそんなに簡単に変われるものではない。20年30年働いてきて染み付いた価値観は一晩では変わらない。 抵抗勢力を変えるのは難しいから、将来職員となるであろう若者の考え方を変えたり、価値観が同じ受験者を増やそうという戦略なのだろう。

 また、生駒市民がこの本を読むと、オカタイ役所が変わるのではないかと期待するのではないだろうか。 そうすると支持率も上がって一石二鳥だ。下世話な話になってしまった。(^^;

 将来起こることには目を向けたがらない人は多い。 しかし、予想した未来がやってきてからではできることは限られている。

 例えば、少子高齢化社会は必ずやってくる未来だ。市役所は特に影響が大きいだろう。 ところが、ピンときていない職場や職員は多いのではないだろうか。 さらに、自分の職場は地方自治体ではないから関係ないと思っている人も多いのではないか。 

 これまで組織の中から外を見てきた人は、外から自分たちの組織を見ることができないから、少子高齢化社会になったときの影響を客観的に考えることができないのだ。

 自分の職場を客観的に見ることができない人は、根拠無く楽天的だ。

 この本に書かれているようなことを、50過ぎのおじさんに話してみると一様に反応が薄い。 確かに現職でいる間は影響はないだろう。 しかし、定年退職した後には必ず訪れる変化で、しかも、そのときにはまだ働いているから少なからず影響は受ける。 それが、想像できないのだろう。

 いや、想像できるような説得力がないのだろう。そこが、アラ定のオヤジと小紫雅史氏との情報発信力の違いかもしれない。

 50過ぎのおじさん達は変わることが難しくのなら、若い人たち働きかけよう。


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