減点法で評価する管理者
現場にいたときは、自分の強みとか弱みとか考えたことは無かった。
興味の趣くままに仕事をする「使えない奴」だったように思う。たまたま興味と時代が一致したのは運が良かった。
マネジメントするようになって分かったことは、↓このような人が「優秀な人」とされている。
チームとして成果を上げようとすると、何でも卒なくこなす人はありがたい。
チーム全員がこのような人だと、仕事によってアサインする人を考えなくてもよいので楽だ。
でも、成果は高が知れている。良くて及第点。均一性が災いしてモチベーションが下がると成果も上がらない。
マネジャとしては、成果を上げるために高い能力を持ったひとが欲しい。しかし、幅広い分野で能力が高い人などいない。 高い能力を持った人はたいてい「尖った人」だ。
「尖った人」は一般の人より劣る能力があるものだ。
それが致命的に劣っていなければ、スペシャリストとして活躍できるのだが、致命的に劣っている場合「変な人」になってしまう。特にコミュニケーション能力が劣る場合は顕著だ。
管理職と呼ばれる人には、マネジャと管理者がいるようだ。
管理者は減点法で評価したがる。
「尖った人」は能力を発揮する前に劣る部分が目に付くので、「劣る人」として評価される。しかも致命的に能力が劣っていると「どうしようもないヤツ」と評価する。
成果を考えず、仕事を卒なくこなすことを考えている管理者にとっては「劣っている人」は排除すべき対象だのようだ。
下の図なら「尖った人(青)」も「尖った人(赤)」も許容レベルを下回っている分野があるので「どうしようもないヤツ」だ。
マネジャは加点法で評価しようとする。 マネジャは成果を考えるので優れた部分を探そうとする。 劣る部分は誰かがカバーすれば良いのだ。
下の図のように、「尖った人(青)」と「尖った人(赤)」が互いに補完すれば高い能力を発揮できるはずだ。
「尖った人(青)」と「尖った人(赤)」が補完し合って仕事をしていて、「尖った人(青)」が首尾よく成果を挙げた場合誰を評価するのか?
マネジメント的には成果を上げた「尖った人(青)」とそれをサポートした「尖った人(赤)」だ。 そして、組み合わせたマネジャも。σ^^)
ところが、減点法で評価したがる管理者は、「尖った人(青)」も「尖った人(赤)」も評価しない。
「尖った人(青)」は助けてもらっているから自分の成果ではないという。
「尖った人(赤)」の助けたことは、間接的だから成果ではないという。
つまり、一人で完結しなければ評価しないのだ。 ?_?)
そんな仕事今時ないだろう。
では、誰を評価するかと言うと「頑張った人」らしい。
つまり、成果に対してどのような役割を果たしたかという客観的な事実は関係なくて、「頑張りました」という主観的な主張が重要らしい。
主観的な評価をする人の共通点は、他人の評価を異常に気にする事だ。だから評判や過去の評価を気にする。 まるで、良い評価するのを恐れているようだ。
評判や過去の評価に左右されず客観的な事実を基に評価するのを阻んでいるのは、自分の弱い心だろう。
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