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2018年11月 4日 (日)

「強者の理論」 <この違和感は何だろう?> 

「あなたと一緒にいると惨めになる。」強者の理論と向き合う  (2018/08/18) 

入谷佐知氏のブログ。 

「自分は強者で、正論で生きてて、しんどいひとの心のありようを理解しづらい人で、ナチュラルに強者の理論を押しつける奴なのかもしれない」

と悩む心情が綴ってある。

 「『強者の理論』に傷つけられた」という「弱者の理論」を強者が聞くと、強者は「弱者の理論」に傷つけられる。

強者vs強者の関係は間合いを取って傷つかないようにすることができる。
弱者vs弱者の関係は依存しあって傷つかないようにすることができる。
弱者vs強者の関係は互いに傷つけ合う。

「強者の理論」に対する違和感

 若者の自殺に関してサッカー選手の発言が物議を醸したことがあった。 この発言を、「強者の理論」という人は多いようだ。 しかし、表面的ではないかと思う。

 便宜上

  • 努力して望む結果を得た人を「強者」
  • 努力すらできない環境で臨む結果が得られない人を「弱者」

と呼ぶことにする。

 「強者に弱者の持ちは分からない」と言う人は多い。
しかし、
 「弱者に強者の気持ちは分からない」と言う人は少ない。
本当のところは、強者も弱者も互いの気持ちは分からないのだ。

 ところが、よく考えると強者を攻撃しているのは弱者ではなく、どちらの気持ちも分からない、他者と間合いを取っている人ではないだろうか。

 自分は傷つかないようにしている人が、強者vs弱者の理論にすり替えて強者を傷つけているだけではないだろうか。

 そうすることで、傷つかないようにしている大勢の賛同が得られる。

これが、「強者の理論」に対する違和感だ。

「弱者の理論」に対する違和感

「強者の理論」が気になっていたら同じような記事を見つけた。

人を傷付ける発言の多い友人 諭すような女性の『言葉』に、考えさせられる (2018/5/31)

これは「弱者の理論」だ。

 良い悪いは別として、他人と間合いが取れず、言動で、意図せず他人を傷つける人はいる。 傷ついた人は「強い言葉」と言うが、強い言葉を発した意識はないことが多い。

 このマンガのように、悪意無く「人を傷つけている人」が、他人から忠告されたり、他人を傷つけたことが分かると、他人を傷つけた人は、その事実を知ると傷つくものだ。(冒頭の入谷佐知氏のように)

 「傷つきやすい人の気持ちが分からない」と言う人は他人を傷つけやすい人の気持ちが分からないのではないか。

人を傷つける人は、
 相手の気持ちが分からないから、本当のことを言いがち
傷ついた人は
 傷つけた人の気持ちが分からないから、正論を言いがちだ

どちらの人も同じように見える。  どちらも相手の気持ちが分からず、どちらも相手を傷つける。 

 この問題は
 傷つけた人=加害者
 傷つけられた人=被害者
では片付かない問題を秘めていると思う。

 これが「弱者の理論」に対する違和感だ。

弱者も強者も

 入谷佐知氏の

 誰かと話すとき「理解できない」という前提から常にスタートできるから。

は重要だと思う。それは弱者も強者も同じだ。傷つける人も傷つけられる人も同じだ。

 「自分は他人に理解されない」より「自分は他人を理解できない」の方が重要だと思う。


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