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2018年11月 2日 (金)

事故の原因分析 <「なぜ」が足りない>

 ある人と「事故」について話していると、どうも話がかみ合わない。

 その人は、「事故」をミスにより物理的な支障が発生することと定義しているようだった。 こちらの定義は、ミスにより問題が発生することで、抽象度が合っていなかった。

 それはさておき、

 その人は、基本が守られていないことが「事故」の原因だという。そして、現場の担当者に対して、基本を守るよう指導したという。

 かなり大きな違和感を感じたので、電話を切って考えてみた。

 「基本が守られていない」は事実なのだろう。 それは何度目かの「なぜ」から導かれた答えだろうから、間違ってはいないはずだ。

 ただし、「なぜ」は続く。

「なぜ、基本が守られないのか?」

  • 作業が立て込んで、うっかり手順を飛ばしてしまったとか、
  • 納期圧力に負けて、手を抜いたとか、
  • ヤバいと知りつつ、前回もOKだったから今回も大丈夫と思ったとか、
  • 周りの人も、手を抜いているから、大丈夫と思ったとか、
  • そもそも、基本を教えられていないとか、

「スキル不足」や「うっかり」「近道行動」「規則不遵守」など正にヒューマンエラーだ。

 どうも、「なぜ、基本が守られないのか?」が考えられていないようだ。

 「基本を守れ」と言われた現場の人に反論はないのだろうか?と考えた。

 自分が現場にいたときなら「現場の実情も知らないで正論ばかり言うな!」と思っただろう。(経験がある。) 現場の担当者には基本が守れない事情があるのだ。

 つまり、「基本を守れ」はともすれば体の良い精神論になる。 現場を経験したことがあるなら、幾度となく経験しことがあるだろう。 

 「基本を守れ」と言うことは重要だが、それと同じくらい基本が守れるような仕組みを提供することが重要ではないだろうか。

 現場を知らない管理者が精神論を振りかざすのは無理もない現場の事情を知らないのだから。(肯定はしてないけど) しかし、現場の管理者や管理部門に現場を知っている"叩き上げ"はいる。

 現場にいたとき精神論で困った彼らは、なぜ、管理部門に異動したり管理者になると、精神論を振りかざすようになるのだろうか?。

 きっと、管理部門、管理者は精神論を振りかざさるをえない要因があるのだろう。

 この問題は経営レベルでの「なぜなぜ分析」が必要な問題だ。


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