なぜ、企業は不祥事をくりかえすのか
なぜ、企業は不祥事をくりかえすのか 樋口晴彦 日刊工業新聞社
有名な事件・事故の発生原因とメカニズムを分析した本
Amazonの書評の中には、著者が所属する組織に関する記述が無いという指摘がある。
しかし、それは無理というものだ。 細部まで知っているだけに公開するのは難しい。それが組織人というものだ。
この本では事故を分析して原因とその関係が示してあるが、背景となる原因全てを挙げてあるわけではないだろう。 部外者の著者が知りえない原因もあるだろうし、取り上げると本質が見えなくなることもあるだろう。 ちょっと詳しい部外者くらいがちょうど良いのだろう。
そう考えると、組織で事故や不祥事の調査委員会のメンバーを見たら、その組織の事故防止、不祥事防止への本気度が見えてくるのかもしれない。
環境の変化は見落としがちな要因だ。
- 「上尾保育所における児童死亡事故防止」における、コスト削減の影響
- 「東京ドーム遊戯施設「舞姫」の死亡事故防止」における、
- 「東海テレビ「ぴーかんテレビ」放送事故防止」
- ベネッセ情報流出事件
に共通する原因は、「コスト削減」だ。その結果、社員の労働か悪化したり、バイトやアウトソーシングによる、「モラル低下」が事故につながっている。
「衣食足りて礼節を知る」の例えは、一見事故には関係が無いように思えるが、実は事故への第一歩なのかもしれない。
- 最近雑用が増えて仕事に余裕が無くなった。
- 仕事は増えたのに人は増えない。
- 残業縮減で仕事に余裕が無い。
も事故や不祥事の第一歩なのかもしれない。
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