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2018年12月

2018年12月31日 (月)

2018年総括

2018年の目標は

  • 新しいことを始めよう
  • 組織風土を変えるために行動しよう 
  • 他人に「頑張れ」と言わないようにしよう
  • 次のキャリアを探そう

だった。

〇新しいことを始めよう
 仕事では新しいことを始める準備ができた。(遅いけど)

 ヒューマン・エラー防止の勉強を始めた。自学だけでは限度があるのでセミナーを受講した。 現場の人達にフィードバックしよう。

〇組織風土を変えるために行動しよう 
 今年もオフサイトミーティングに関わったが正直不発だった。 もっと関わらなければならないと思う。

 ヒューマン・エラーの未然防止を考えるとやはり組織風土に行き着く。

〇他人に「頑張れ」と言わないようにしよう
 機会あるごとに、重要なことは頑張ることではなく成果を上げることと言っている。 しかし、組織風土は簡単には変わらない。 それでも言い続けなくてはいいけないんだろう。

 評価する人の主観で頑張ったと評価された人が昇進するのでは、組織風土は変わらない。

〇次のキャリアを探そう
 キャリア・シフトチェンジチェンジ・セミナーを受けた。

 アラ定になって自分探しは続く。


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2018年12月29日 (土)

頭に来てもアホとは戦うな! 

頭に来てもアホとは戦うな!
人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村 耕太郎
朝日新聞出版

Photo

  • 正義感が強い
  • 自信にあふれる
  • 責任感が強い
  • プライドが高い
  • おせっかい

という性格の人に向けた本。

 腹が立つことがあって、ついジャケ買いしてしまった。書店で平積みされているときには手を出さなかったのに。

 前半はタイトルどおり、戦うより逃げる方が良い理由が書いてある。

 冒頭の5つの性格が強く、しかも頭が良い人は、支配欲が強いという感じ、今風にいうとマウントしたがりの人だろう。 マウントしたがりの人は、この本で田村耕太郎氏が説明している方法を意識せず実行できる人に対しては戦闘になることはないが、同じような性格の人や、距離を置こうとする人に対しては好戦的になる。
そこで、マントしたがりの人に対して、好戦的にならないようにする方法が書いてある。

 自分性格を考えた。
マウントしたがりの人をその気にさせて掌の上で転がそう(つまりこの本に書いてあること)とは思わないので、対応は、距離を取るか、無視するか、いずれにしても戦わないことを選ぶ。ところが、マウントしたがりの人は追いかけてきて戦闘を仕掛けてくるので厄介だ。 経験から、無視するのが良くないことは分かってきたのだが、適当なメッセージを相手に送れない。 コミュニケーションスキルが低いのだ。

 この本は、マウントしたがりの人の処世術かもしれない。
マウントしたがりの人から逃げる方法を期待して読んだので期待外れだった。

 腹立ちが収まって冷静になって考えた。
田村耕太郎はおっしゃる

あなたがアホと思っている人は、実は誰よりも賢い可能性があることを忘れてはならない。ただ、本当のアホもいるので注意が必要だ
やっぱりマウントしたがりの人と戦うのはやめよう。

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2018年12月27日 (木)

高専ロボコン2018(2)

NHKで高専ロボコン2018全国大会を見た。

 11/25(日)にライブ配信されていたのだが、所用で見ることができなかったので収録版で見た。 収録版はよくまとまっているけどイマイチ臨場感に欠けるなあ。

 今年のお題はペットボトルを投げて台の上に立てるというもの。今年から自動制御ロボットが導入された。

 栄光の「アイディア倒れ賞」は都城高専。
投げたペットボトルをわざわざトランポリンで弾ませて台の上に立てる仕組み。

↓ここに動画がある。

↑(https://media.giphy.com/media/E1Dw4FFXfY8b1G3kVp/giphy.gif)

 地方大会ではペットボトルを立てることができたけど、全国大会では立てることができなかった。 アイディア倒れといっても全国大会に出るだけの完成度はある。

 今年初めて導入されたのは、自動制御ロボットの他に「ロボコニスト投票」だ。
全国大会に出場したチームが自チーム以外に投票するという企画で、第1位は熊本高専、第2位は都城高専、第3位は一関高専だったようだ。

 ロボットを造っている人たちだから「自分たちができないことをやられた!」という結果なのだろう。

 参加者からすると熊本高専のロボットは納得のロボコン大賞なのだろう。



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2018年12月25日 (火)

SAQ クリスマス運用2018

2018/12/24 08:00(UTC) にSAQのクリスマスメッセージを聞いてみた。

 SAQはスウェーデンの超長波(17.2kHz)無線局で世界遺産に登録されている。
年に数回運用していて、クリスマスイブにメッセージが送信されるので毎年聞いている。

 といっても、日本では受信できないので、インターネット上で公開されているWebSDRで聞いている。 去年までは、VLFまで公開しているトゥウェンテ大(University of Twente)のWebSDRで聞いていた。 スウェーデンから距離も近いので安定して聞こえる。

 今年はちょっと離れた英国の G8JNJ のWebSDRで聞いてみることにした。トゥウェンテ大は599だが G8JNJ は559くらいだ。

SDRを探していたらOpenWebRXを見付けた。 OpenWebRXはOpenSorceのSDRアプリで、たくさん公開されているようだ。

 ハードウェアはBeagleBone+FPGAボードで構成されているKiwiSDR (秋月でも売ってる) KiwiSDRは10kHzから受信できるので世界中でVLFが受信できる。(アンテナ次第だけど)

 WebSDRと比較するために G0EZY が公開しているOpenWebRXで聞いてみたら、G8JNGはS5だがG0EZYはS7くらいで入感している。 ところがS/Nが悪い。

今年は手打ちのようだ。 メッセージは↓ "alexanderson"が"ale4anderson"に聞こえる。


cq cq cq de saq saq =
this is grimeton radio / saq in a transmission using the alexanderson 200 kw alternator on 17.2 khz
=
we wish you all a merry christmas and a happy new year
=
signed : the world heritage at grimeton and the alexander-grimeton veteranradios vaenner association AR
=
for qsl info please read our website : www.alexander.n.se ii www.alexander.n.se =
de saq saq saq SK



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2018年12月23日 (日)

顧客からの信頼感

 サポート部門にいる者にとって顧客とは「自分の知見や能力を提供する相手」のこと。

 技術サポート部門にいたとき信頼を得るためには、

  • 能力
  • 信頼感
  • 期待以上の結果
が必要だと考えていた。

 若い頃は
「能力」のことしか考えていなくて、能力を向上させることが期待以上の結果に繋がると思っていた。

 サポートの依頼者は技術的課題を持ってくる人くらいに考えていた。 しかし、世の中には技術的に解決しなくても連絡とか調整とか人間関係で解決できることも多い。 連絡とか調整とか人間関係が苦手だったから、目を背けていただけなんだろう。

 つまり、「期待以上の結果」は依頼者のことを考えてのことではなく、課題のクリアレベルとしか考えていなかったのだろう。

 マネジャになって考えたことは

  •  サポートすることや技術力を提供することは目的ではなく手段である。
  •  サポートしたことによって依頼者が目的を達成したかどうかが重要である。

ということ。

 マネジャになるときに、いくら歯がゆい思いをしても現場の作業には手を出さないと決心したから分かったことかもしれない。

 マネジャになる前から考えていたのは
依頼者に信頼されること。 マネジャになると技術力を直接提供できないから、それ以外で信頼を得なければならない。

 信頼は強制できないから「信頼してくれ」とか「信頼すべきだ」と言っても得られるものではない。 役職が上だからとか、上位の職場にいるとか、命令する立場だからとか、それらは信頼の元にはならない。 意外にも分かっていない人が多いようだ。

 信頼できない人のことを考えてみた。 信頼されるにはその逆をやればよいだろう。

  • 会ったことが無い人、話したことが無い人は信頼できない
  • 自分の都合を優先する人は信頼できない
  • 不誠実な人は信頼できない

 具体的に何をするかというと、

〇同じ場の空気を吸う。 
 当然、飲み会は欠かさない。休暇を取ってでも参加する。  飲むのが好きだからか?^^)

〇相手の都合を優先する。
 できないときに、「○○があれば可能なのですが...」と言う人がいるが、いくらできないことを正当化しても信頼は得られない。 身上潰してまでとは言わないまでも、〇〇を入手する努力をすればよい。 一手間二手間かけることが重要だ。

〇誰に対しても最初から誠実に対応する。
 世の中、誠実な人ばかりではない。他人を利用しようとする人はいる。 相手が誠実か、不誠実かを確認してから誠実に対応すると効率は良いようだが、誰に対しても最初から誠実に対応する。 たまたま不誠実な人に当たることもあるが、大勢の誠実な人が見ているから、大勢の誠実な人に信頼してもらうことの方が重要だ。


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2018年12月20日 (木)

齋藤泉 一瞬の出会い 斎藤泉 <付加価値は人が創り出す>

中小企業 新ものづくり・新サービス展のセミナーで齋藤泉氏の講演を聴いた。

齋藤泉氏は新幹線のカリスマ販売員で、以前著書を読んだことがあるので一度講演を聴いてみたいと思っていた。

 ものづくりと新幹線の車内販売は関係ないようだが、内容は対面販売のノウハウではないので、自分の仕事に置き換えて聞いていた。

 今の仕事は技術サポートが仕事だから物を売る販売とは違う。 若い人には、どの分野でもそこそこではなく特定の分野で突き抜けることが重要で尖った人材になろうと言っている。 他に代替できない能力を持つと競争力があるから「客は向こうからやってくる」...はずだ。(そんなに簡単ではないけど)

 では、他に代替できない能力を持っていない競争力が無い者はどうするか?
ここが齋藤泉氏の仕事に通じるところだ。いや、通じるどころかそのまま参考にすれば(パクれば)よいと思う。

  • 相手によって話し方を変える
  • 声をかけてもらうために声を変えやすい雰囲気を醸し出す
  • 回数多く客の前に立つ

などは明日にもできることだ。

でも、ほんとに重要なのは、

選択肢がなく仕方なしに車内販売で買った人でも得した気分にする

だろう。

さらに、

気がついたら、立場は関係なく行動してみる

は重要だと思う。

齋藤泉氏から学んだことは、

他にもある製品や技術しかなくても付加価値があれば売れる。
付加価値は人が創り出す。

やっぱりうちはサービス業だ。


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2018年12月18日 (火)

鳥塚亮 常識にとらわれない発想と経営戦略 <ダメだったことは変える>

 中小企業 新ものづくり・新サービス展のセミナーで鳥塚亮氏の講演を聴いた。

 鳥塚亮氏は破たん寸前のローカル線いすみ鉄道の社長公募に応募して社長に就任した方だ。色々なメディアで紹介されていたからある程度は知っていので、話を聴いてみたいと思っていた。

これまでやってきてダメなことは変える。ということ。

  • 「ローカル線は乗って残す」でダメだから観光客を呼ぶ
  • 「男性のオタクを相手にして」ダメだから女性を呼ぶ
  • 「撮り鉄は邪魔だから排除する」でダメだから乗らない撮り鉄を呼ぶ

 最近、「撮り鉄」さんの行為があちらこちらで問題視されている。 そもそも「撮り鉄」さんは列車に乗らないので運賃収入には寄与しない。 だから鉄道会社は排除しても構わないと考えるようだ。

 ところが、今時の写真は自分で楽しむものだけではなくネットで公開されるから、「撮り鉄」さんはタダで宣伝してくれる人達だ。 しかもベストショットが取れる場所を知っている。

 「撮り鉄」さんにとって主役は車両で風景はわき役だけど、一般の人にとっては車両を含めた風景が主役だ。

 そして、ネットで公開されたベストショットの風景を見て、また観光客がやってくる。

 後から考えれば、なぜ思いつかなかったのかと思うけれど、今までのやり方を変えることは難しい。 当事者は多かれ少なかれ成功体験か失敗体験があるからだ。

 昔の成功体験にとらわれている人は「今のやり方を変えるべきでない」と言い、失敗体験にとらわれている人は「そのやり方は失敗するかもしれない」と言う。

 いずれにしても思考停止している。

 変えられるのは、成功体験も失敗体験も無い部外者だ。 いすみ鉄道も鳥塚亮氏が部外者だから変えることができたのかもしれない。

 これまでやってきたやり方がダメになっていることは多いけど、やり方を変えることは難しい。 変えない、変わらないのは、このやり方ではダメだとわかっている当事者だということだ。

話されたことは、このページにある(写真も)。
(http://isumi.rail.shop-pro.jp/)いすみ鉄道 社長ブログ

###

 ところで、鳥塚亮氏は、2018/6/12にいすみ鉄道社長を退任されたようだ。(知らなかった)

<いすみ鉄道社長退任表明>“カリスマ”喪失危惧 地元関係者「流儀受け継ぐ」 (https://this.kiji.is/370017879439443041)
沿線地方自治体の反応はさまざまのようだ。

退任されてからのブログは↓にある。
(http://train.isumirail.com/)いすみ鉄道 前社長 鳥塚亮のブログ


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2018年12月16日 (日)

中小企業 新ものづくり・新サービス展2018

中小企業 新ものづくり・新サービス展に行ってきた。

 IT関係の展示会だけだと視野が狭くなりがちだ。 この展示会はITだけでなく医療、福祉、素材、印刷、農水、食品、化学、金属加工、機械と幅広くすごく新鮮だった。

 IT関係は他の展示会でも似たような展示を見たことがあるので、あまり面白みがない。

 その中で面白いと思ったのは、

  • 超薄型全面ダイレクトドライブ・スピーカ (ライト・イア合同会社
     Wsddsperker
     従来のボイスコイル&コーンとは違う方式のスピーカー。
    ドライバは厚さ5mmでポータブル型のブックスピーカーや寝ながら使えるピロースピーカなどの製品もある。
     離れて聞いても減衰しない感じだ。
     
  • 自家焙煎国段大豆コーヒー (そいかふぇ
      Photo
     大豆を焙煎たカフェインフリーのコーヒー。 豆なら何でも焙煎するとコーヒーになるんだろうか?
     気のせいか黄粉っぽい風味がする。 (不味いわけじゃない)
     
  • 電界結合給電 (株式会社 ExH
     Photo_2
     電磁結合の無接触電力伝送は実用化されているけど、磁界でなく電界で伝送しようというもの。
     電磁結合はコイルだけど電界結合はコンデンサだから面積が必要になるよな? ということは小型化しにくいということか? 今度展示会で見たら聞いてみよう。
     
  • バリがでないドリル (株式会社ギケン
     Photo_3
     バリが出ないのでバリ取り工程が必要ない。アルミ・樹脂用、鉄用、ステンレス用があるようだ。 技術の人がいなくて詳しい話が聞けなくて残念。
     使ってみたい。どこかで売ってないのかな?

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2018年12月14日 (金)

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? <エリートでなくても持ってる>

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」
山口周 光文社

Photo_2

山口周氏は、

 これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできないから、「真善美」の判断の基準を「論理から直感」「法から倫理」「市場から美意識」へ変えるべきとおしゃる。

 グローバル企業の幹部候補は、美意識を養う訓練をしているらしい。 
何でも「グローバル企業のエリート」を引き合いに出すところが、ちょっとイヤらしい。 トシさんなら「おーべーかっ!」と言いそうだ。

それはさておき

 日本の著名な経営者は美意識を持っているのではないだろうか。
本を読んだだけだけど、京セラの稲盛和夫氏やヤマト運輸の小倉 氏、ホンダの本田宗一郎氏などは当てはなると思う。 田坂広志氏も著書の中で同じようなことを書いておられる。

 欧米の経営にカブれて美意識を忘れた経営者が増えたから、欧米に学ばなくてはならないのだろうか。日本人の美意識をお持ちの経営者に学べばよいのではないだろうか。

 美術や芸術には全く疎い朴念仁だから、美意識はうまく説明できないけど、美意識を感じるポイントがある。

 例えば、プログラミングのコードとか、綺麗に縫縛してあるケーブルとか。

 古い話だが、通信インフラ部門にいたときに厳しく教えてもらったのは、ケーブルのほう縛と付け線。

 当時、配線は電気的に繋がっていれば見てくれなんかどうでもいいだろうと思っていた。 ところが、美しい配線をする人は間違いが無い。雑な配線をする人は間違いが多い。

 結局、仕事に対する姿勢なのだと後から気がついた。

 とあるシステムを整備したときに、工事業者さんは安く上げるために既成品のケーブルを使って配線するとおっしゃる。 「綺麗に配線すること」とは仕様に書けない。

 当然ジャストフィットしないので、そこらじゅうでケーブルがトグロを巻いている状態だった。 思わず「美的感覚は無いのか! ただ繋がっていればいいというもんじゃないだろう!」と言ってしまった。

 でも、値切った報いだ。 そして、ユーザーである自分たちが、その報いを受けることになる。

 安易に目先の損得に流されないこと、 そして、その判断基準にこだわることは美意識に、通じるものがある。

 技能の世界に生きている人は大なり小なり美意識は持っていると思う。 


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2018年12月12日 (水)

「トヨタが明日つぶれるかもしれない」 <末端まで危機感をもっているのか>

トヨタが明日つぶれるかもしれない」 Yoshi品質研究所  第1726回

 15年前にトヨタの担当に言われた言葉らしい。 「御冗談でしょう ^^)」という感じだ。

ところが、最近では東芝、シャープ、三菱自動車、ちょっと前ならJALや船場吉兆など、悪い冗談ではなくなった。

 この記事の最後に書いてある、「一人一人が危機感を持つ」は言うのは簡単だが、かなり難しいと思う。 組織ができて間もないときは危機感を維持しやすいが、安定すると危機感が無くなる。 組織とはそのような性格を持っているから、危機感を維持し続けるのは難しい。

 誰か一人が組織に致命的なダメージを与えるケースもあるが、むしろ、問題なのは皆が少しづつダメージを与え、気が付くと取り返しのつかない状態になるケースだろう。

 トヨタのような製造業なら品質は重要で、サービス業で重要なのは顧客の信頼だ。 自分一人くらいいいだろうと考える者が増えると、顧客の信頼を失わないまでも、信頼を低下させてしまう。 そして信頼の低下が積もり積もったところに環境の変化があると、問題が顕在化して最悪組織が無くなってしまう。

 問題が顕在化したときに経営者や問題を顕在化させた者が責められることは多い。 しかし、皆同じ穴の貉ではないだろうか。

 信頼を低下させる行為や不正を許すことが常態化して、それを改善しようとしないのは大なり小なりどこの職場にもあるものだ。 それを組織風土が悪いと言ってしまうのは簡単だが、組織風土を作っているのは経営者だけではなく、全員だ。

 問題が顕在化したときに被害者ぶるのは簡単だ。 しかし、

  「 一人一人が危機感をもって小さな問題をつぶしてゆくこと」

こそが重要なのだろう。

 トヨタは大企業になっても、創業時や経営危機の時のことを忘れないように、次の世代や取引会社に伝える風土があるのだろう。


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2018年12月10日 (月)

得意分野は隙間 <隙間だけではないけどね>

 とある飲み会の席で「あなたの得意分野は?」と尋ねられたので「隙間です」と答えた。

 ICT関係の技術部門での経歴が長いので、技術の分野を尋ねられたのだ。  尋ねた人は「またまた、ご謙遜でしょう」と言われるのだが、謙遜ではない。

 移り気+凝り性+ひねくれ者だから、だれも取り組んでいない技術に反応して、人より早く勉強を始めていた。

技術にも流行りがあって、
流行り始めると情報が爆発的に増える。 インターネットが無かった頃は専門書で情報を得ていた。 流行る前は大きな本屋でも3冊くらいしか無かった書籍が、流行り始めるとあっという間に棚一杯になったりする。そうすると勉強は簡単になる。

 勉強している人が多い分野は、勉強しやすいが勉強している人が多い分競争が激しいので、優位性を保とうとするとかなり勉強しなければならない。 一生懸命勉強しても、地頭が良い奴や要領が良い奴には負けてしまう。

 このようなときに、負けないように頑張るのも1つの手段だが、隙間を見つけて勉強する方が断然効率が良い。

 流行りの技術には人がたくさん集まっているので、流行りと流行りの間に隙間があるものだ。 隙間は勉強している人が少ないので、ちょっと勉強すると、隙間分野で第一人者になれる。

第一人者になれば仕事が来るようになる。
第一人者と言っても相対的に知識が多いだけだが、仕事や情報が集まって来る。 そうなればしめたもので、仕事をしながら勉強できるようになる。

 勉強を始めようとすると自腹を切ったり、自分の時間を削って勉強しなければならない。 しかし、オイシイ隙間を見つけると仕事をしながら、他人の金で勉強ができるのである。 こんなオイシイことはないだろう。

 しばらくすると、オイシさに釣られて隙間に人が集まって来る。
そのときには、先に勉強を始めたアドバンテージがあるので、自分と同程度のレベルの人達は追いつけない。 とこが、地頭が良い奴や要領が良い奴が参入してくると、優位性は長くは続かない。

 優位性を保とうとするならば、後から参入してきた奴と同じスピードで学び続ける必要がある。 とこが、ある程度レベルが上がると成長の速度が鈍って、そして優位性は無くなる。

 隙間でオイシイ思いをしてるところに誰かが参入してきたら、その隙間はあっさり捨ててあたらしい隙間を見つけ方が良い。

ニーズがある隙間のほうが良い。
とこが、隙間を見付けても将来その隙間のニーズが増えるかどうかはわからない。 それが分かるくらいなら参入してくる人は多いから、そもそも隙間にならない。

 一つの隙間に賭けるのはリスクが大きいので、たくさんの隙間を見つけて、取り掛かる。
そして、少し勉強すると様子が分かるので、目がありそうな隙間に集中する。

 まあ、そんなに上手くいかないのだけれど・・・

これまでの経験を振り返ってみると、
隙間かどうか、将来ニーズがあるかどうかは考えていなかった。 (^^ゞ
隙間を選ぶ基準は、オモシロイかどうかだ。 オモシロくない勉強は続かない。

 たまたま興味を持った技術が隙間でしかもニーズがあったのは、単に運が良かっただけなのかもしれない。 (^^;

ふと考えた
 隙間が見える人や隙間に取り組める人は、隙間だけ得意というわけではなく、隙間の両側も得意か、そこそこできるようだ。 広い知見をもっているからこそオモシロイと感じるし、学習速度が速いのかもしれない。

 そして、問題を解決するときに、隙間だけの狭い能力だけではなく総合力を持っているから、誰も解決できない問題が解決できるのだと思う。

 オモシロイと感じる分野を複数見付けたら、やってる人が少ない方に注力した方が良い。


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2018年12月 8日 (土)

ぶっ潰す <タコツボか迷走か>

 飲んでいたときに、近くのテーブルから「あいつは分かってないんだよ!」とか「ぶっ潰してやる!」とか「黙らせてやる!」とか物騒な台詞が聞こえてきた。

 某体育会系団体ではあるまいしと思いながら耳ダンボにしていると、どうも同じ職場で違う業務をしている人の事を言っているらしい。

 酔っ払うと普段抑えていることが口を突いて出てくるものだ。余程根に持っているのだろうか? 妙に引っ掛かってしまった。

 翌日、シラフになっても「ぶっ潰す」が頭から離れない。
 翌翌日になっても引っ掛かったままなので考えてみた。

 「ぶっ潰す」と言っている人はかなりの負のエネルギーを溜めている。0:100(白黒付ける)の決着を望んでいる 。「ちょっと懲らしめてやる」ではない。 相手が100%悪いと思っているようだからWin-Winの関係になれそうにないようだ。

 なぜ、「一言文句を言ってやる」ではなく「ぶっ潰す」なのだろうか?
同じ組織にいても利害が相反する部署や個人はいるものだ。 しかし、現在の関係がWin-Winとまでいかなくても多少でも益があるなら「ぶっ潰す」必要はなくて、「一言言って」分からせるだけで良いと思おう。 それだけにかなり大きい負のエネルギーを感じた。

 盗人にも三分の理というように、世の中はどちらか一方が100%正義でもう一方が100%悪ということはまず無い。 と考えると。「ぶっ潰す」と言う言葉は出てこないだろう。

 考えられるのは

  • 仕事の目的が違うか、共有していない。
  • 自分の業務の目的が、職場の目的だと思っている
  • 利害を調整する人や部署がない
  • 互いに関係修復方法を知らない

古い組織なら、一番簡単な関係修復方法は飲み会だ。今時ならFaceToFaceの対話だろう。 おそらく、シラフで会ったときに対話できる雰囲気でもなく、対話をコーディネートする人もいないということだろうか。

 職場の目的、仕事の目的が同じなら、利害関係があっても、小異を捨てて大同に付くことはできるだろう。 とこが、職場の目的や仕事の目的が無かったり、明確でない場合は、目標が目的になってしまう。 目標は業務ごとに違ことが多いから、目標が目的になったら、他の業務をしている人達とは相容れない関係になるだろう。

 目的を明らかにするのは、リーダーの仕事だ。 古い組織では管理職の仕事とされていた。
リーダーは、ビジョンを示して、目的を末端まで浸透させようとする。
管理職は、与えられた目的を、部下に浸透させようとする。
大きな違いは、管理職は自分たちの目的は何かという問いかけをしない。
なぜならば、目的はリーダーや上位の管理職から与えられるから。

 若いときは視野が狭いから 目標と目的を混同してしまいがちだが、管理職は少なくとも目標と目的の違いは理解していることを前提に、目標の違いのよる利害の調整が求められる。

 組織の目的は環境の影響を受ける。
環境の変化が、緩やかなときは、目的も目標も変わらない。
環境の変化が激しいときには、環境に合わせて目標は変えなくてはならない。

 ともすれば、目的まで変えなくてはならないこともあるだろう。
そのような事態になったときに、組織全体が新しい目的を共有できていれば良いのだが、
古い目的を引きずっている人や部署があると利害関係は調整できない。

 そして「ぶっ潰す」になってしまうのだろう。

 「ぶっ潰す」発言が聞こえたら

  • セクショナリズムが蔓延ったタコツボ組織になってる
  • ビジョンが無く組織の目的が分からない迷走組織になっている

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2018年12月 6日 (木)

「理想的設計」の陰

田坂広志 「風の便り」 第156便は「理想的設計」の陰

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 田坂広志 「風の便り」 四季  第156便
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 「理想的設計」の陰


 1960年4月21日、ブラジルにおいて、
 都市設計の最先端技術を用いた首都、
 ブラジリアが生まれました。

 それから10年後、
 ある雑誌に載せられた写真が
 印象に残っています。

 それは、理想的に設計された都市に、
 理想的に配置された道路があるにもかかわらず、
 それを無視して、ビルからビルへの近道を求め、
 多くの人々が歩くことによって作られた
 「けもの道」のような小道の空撮写真でした。

 なぜか心に残っている、この一枚の写真。

 その意味が、
 マネジメントの道を歩むようになって
 分かりました。

 なぜなら、
 このブラジリアの「陰の道」の現象は、
 マネジメントの世界においても、
 しばしば、目にするからです。

 理想的に設計された組織。
 理想的に配置されたマネジャー。

 その組織やマネジャーに対して、
 人々は、常に、
 現実を動かすために最も有効な
 「陰の組織」や「陰のマネジャー」を
 生み出していくからです。

 そして、そのことに気がついたとき、我々は、
 マネジメントに携わる者が理解すべき、
 一つの心得を学びます。

  「理想」を描き、実現するためには、
  「現実」の陰の動きを見つめなければならない。

 そのことを学ぶのです。


 2005年2月24日
 田坂広志

↓こんな感じ? ブラジリアの"けもの道"(Google map  15°47'31.4"S 47°52'03.9"W)

 陰の××はどこの組織にもある。 陰は制御できない。
人はいつも、論理的に考えるわけではないし、合理的に行動するわけではない。
理想が光ならば反対側に陰ができるのだろう。

 う~ん。これは難しい。


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2018年12月 4日 (火)

〝誰も管理職になりたくない〟時代だからこそみんなでつなぐリーダーシップ

〝誰も管理職になりたくない〟時代だからこそみんなでつなぐリーダーシップ 高橋克徳 実業之日本社

Photo

 高橋克徳氏が東洋経済に書かれた記事は年寄り向けだったのかイマイチぴんとこなかったので著書を読んでみた。

 「組織論」「リーダーシップ論」としては、よく纏まっている。 管理職、マネジャー、リーダーの役割が曖昧な気もするが、きちんと分離しない日本的組織が前提ということであろうか?

 高橋克徳氏曰く、年寄りは、最近の若者が出世したくないと言うことが理解できないと。

 若手世代が突きつけているのは、本当に企業のために、上司のために働けば、わたしたちは幸せになれるんですかという問いです

とおっしゃる。
そして

「管理職になりたくない」=「人の上に立ちたくない、責任を負いたくない」という心理は、実は多くの日本人の中にすでに広がっている感情なのではないでしょうか。

とおっしゃる。

 管理職やリーダーを目指すと誰でも幸せになれるわけではないことは、若者だけでなく年寄りも知っている。

 年寄りは知らないフリをしているのだが、「分からないことは何でも聞きなさい」と言われて育った若者は年寄りに問いかける。「本当に幸せになれるのですか?」と。

 ところが、年寄りは本当のことが言えない。 管理者をやっている多くの年寄りが持っている「幸せになる方法」は自ら考えたものではなく与えられたものだから。 そして、その「幸せになる方法」は揺らいでいるから。

 こんな年寄りにとって、管理職になりたくないという若年層への対応は大きな問題だ。

 高橋克徳氏の主張は、「若年層の意識を変えるのではなく、組織を創り直すべき」だ。 20代、30代の若年層、管理職、経営層それぞれにリーダーシップが必要で、それぞれが対話して連携しながらリーダーシップを発揮する組織にすべきとおっしゃる。

 新たに、組織を創る場合は、管理職の定義やリーダーシップの考え方を定義することは簡単だ。 また、小さい組織の場合は、旧来の強力なリーダーシップを利用して定義し直すこともできよう。

 組織の将来を真面目に考えたことがある管理職なら、高橋克徳氏の提唱するリーダーシップや組織のあり方は考え方としては分かる。 しかし、小手先の改善では現状を打開できないこともよく知っている。 

 問題は実現方法だ。

大きい組織や、古い組織は

経営層が変わっても、組織全体の考え方を変えるのは難しい。
管理職が単独で組織を変えることも困難だ。
若年層は岩のように変わることを拒む(ように見える)組織を変えるという発想すら浮かばない。

 だから、全員が自分に応じたリーダーシップを発揮すれば組織は変わるという考え方は理解できる。 しかし、方法論の無い原理は絵に描いた餅だ。

 高橋克徳氏がいう、3つのリーダーシップが後天的に獲得できるならば、管理職に対して教育やトレーニングすればよい。

 ところが、大きな組織は往々にして官僚型だ。 官僚型の組織はリーダーシップ獲得の教育やトレーニングをやらない。 官僚型の組織では管理職に管理能力しか求めていないからだ。 当然、リーダーシップを持った管理職は希少だ。

 このような状況で、全員がリーダーシップを発揮できるようにするには、自分は何をすべきかと考えると、途方に暮れてしまう。 そして、政治を変えたいならまず選挙に行くような結論に至る。

 この本のような立派な「組織論」「リーダーシップ論」を読み終わったときに、心躍らない理由は歳を取ったことだけではないと思う。

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 それでも、自分ができることをやるしかない。



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2018年12月 2日 (日)

無線と實驗 501回路集

【復刻版】無線と實驗 501回路集

501

 1960年に刊行された無線と實驗 501回路集の復刻版。 紙質が良くなっているような気がする。

 1960年は生まれる前だから覚えていない。 物心ついたころ家にあったラジオはナス管だった。 もちろんテレビも真空管だった。

 この本に収録されている回路は真空管の回路が多い。
SONYが初めてトランジスタラジオを発売したのが1955年だから、1960年頃にはトランジスタラジオが販売され始めていたのだろう。 しかし、アンプはまだ真空管が主流だったようだ。

 この本や401回路集を初めて見たのは学校の図書館だった。
就職したころにはまだ書店で売っていたような気がするが、真空管の回路が多かったので買わなかったのだと思う。

 最近、空虚な数字ばかり見ているし、読む本はビジネス本が多くなった。 たまには回路図を眺めてほっこりしよう。


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