ぶっ潰す <タコツボか迷走か>
飲んでいたときに、近くのテーブルから「あいつは分かってないんだよ!」とか「ぶっ潰してやる!」とか「黙らせてやる!」とか物騒な台詞が聞こえてきた。
某体育会系団体ではあるまいしと思いながら耳ダンボにしていると、どうも同じ職場で違う業務をしている人の事を言っているらしい。
酔っ払うと普段抑えていることが口を突いて出てくるものだ。余程根に持っているのだろうか? 妙に引っ掛かってしまった。
翌日、シラフになっても「ぶっ潰す」が頭から離れない。
翌翌日になっても引っ掛かったままなので考えてみた。
「ぶっ潰す」と言っている人はかなりの負のエネルギーを溜めている。0:100(白黒付ける)の決着を望んでいる 。「ちょっと懲らしめてやる」ではない。 相手が100%悪いと思っているようだからWin-Winの関係になれそうにないようだ。
なぜ、「一言文句を言ってやる」ではなく「ぶっ潰す」なのだろうか?
同じ組織にいても利害が相反する部署や個人はいるものだ。 しかし、現在の関係がWin-Winとまでいかなくても多少でも益があるなら「ぶっ潰す」必要はなくて、「一言言って」分からせるだけで良いと思おう。 それだけにかなり大きい負のエネルギーを感じた。
盗人にも三分の理というように、世の中はどちらか一方が100%正義でもう一方が100%悪ということはまず無い。 と考えると。「ぶっ潰す」と言う言葉は出てこないだろう。
考えられるのは
- 仕事の目的が違うか、共有していない。
- 自分の業務の目的が、職場の目的だと思っている
- 利害を調整する人や部署がない
- 互いに関係修復方法を知らない
古い組織なら、一番簡単な関係修復方法は飲み会だ。今時ならFaceToFaceの対話だろう。 おそらく、シラフで会ったときに対話できる雰囲気でもなく、対話をコーディネートする人もいないということだろうか。
職場の目的、仕事の目的が同じなら、利害関係があっても、小異を捨てて大同に付くことはできるだろう。 とこが、職場の目的や仕事の目的が無かったり、明確でない場合は、目標が目的になってしまう。 目標は業務ごとに違ことが多いから、目標が目的になったら、他の業務をしている人達とは相容れない関係になるだろう。
目的を明らかにするのは、リーダーの仕事だ。 古い組織では管理職の仕事とされていた。
リーダーは、ビジョンを示して、目的を末端まで浸透させようとする。
管理職は、与えられた目的を、部下に浸透させようとする。
大きな違いは、管理職は自分たちの目的は何かという問いかけをしない。
なぜならば、目的はリーダーや上位の管理職から与えられるから。
若いときは視野が狭いから 目標と目的を混同してしまいがちだが、管理職は少なくとも目標と目的の違いは理解していることを前提に、目標の違いのよる利害の調整が求められる。
組織の目的は環境の影響を受ける。
環境の変化が、緩やかなときは、目的も目標も変わらない。
環境の変化が激しいときには、環境に合わせて目標は変えなくてはならない。
ともすれば、目的まで変えなくてはならないこともあるだろう。
そのような事態になったときに、組織全体が新しい目的を共有できていれば良いのだが、
古い目的を引きずっている人や部署があると利害関係は調整できない。
そして「ぶっ潰す」になってしまうのだろう。
「ぶっ潰す」発言が聞こえたら
- セクショナリズムが蔓延ったタコツボ組織になってる
- ビジョンが無く組織の目的が分からない迷走組織になっている
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