世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? <エリートでなくても持ってる>
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」
山口周 光文社
山口周氏は、
これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできないから、「真善美」の判断の基準を「論理から直感」「法から倫理」「市場から美意識」へ変えるべきとおしゃる。
グローバル企業の幹部候補は、美意識を養う訓練をしているらしい。
何でも「グローバル企業のエリート」を引き合いに出すところが、ちょっとイヤらしい。 トシさんなら「おーべーかっ!」と言いそうだ。
それはさておき
日本の著名な経営者は美意識を持っているのではないだろうか。
本を読んだだけだけど、京セラの稲盛和夫氏やヤマト運輸の小倉 氏、ホンダの本田宗一郎氏などは当てはなると思う。 田坂広志氏も著書の中で同じようなことを書いておられる。
欧米の経営にカブれて美意識を忘れた経営者が増えたから、欧米に学ばなくてはならないのだろうか。日本人の美意識をお持ちの経営者に学べばよいのではないだろうか。
美術や芸術には全く疎い朴念仁だから、美意識はうまく説明できないけど、美意識を感じるポイントがある。
例えば、プログラミングのコードとか、綺麗に縫縛してあるケーブルとか。
古い話だが、通信インフラ部門にいたときに厳しく教えてもらったのは、ケーブルのほう縛と付け線。
当時、配線は電気的に繋がっていれば見てくれなんかどうでもいいだろうと思っていた。 ところが、美しい配線をする人は間違いが無い。雑な配線をする人は間違いが多い。
結局、仕事に対する姿勢なのだと後から気がついた。
とあるシステムを整備したときに、工事業者さんは安く上げるために既成品のケーブルを使って配線するとおっしゃる。 「綺麗に配線すること」とは仕様に書けない。
当然ジャストフィットしないので、そこらじゅうでケーブルがトグロを巻いている状態だった。 思わず「美的感覚は無いのか! ただ繋がっていればいいというもんじゃないだろう!」と言ってしまった。
でも、値切った報いだ。 そして、ユーザーである自分たちが、その報いを受けることになる。
安易に目先の損得に流されないこと、 そして、その判断基準にこだわることは美意識に、通じるものがある。
技能の世界に生きている人は大なり小なり美意識は持っていると思う。
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