裸でも生きる3 輝ける場所を探して
輝ける場所を探して 裸でも生きる3 ダッカからジョグジャ、そしてコロンボへ
山口絵理子 講談社
忘年会が
お開きになって、後輩と話しながら帰った道すがら、後輩がマザーハウスのバッグを買ったと言う。
10年くらい前に山口絵理子氏を何で知ったのか忘れてしまったけど、「裸でも生きる」を読んだら感銘を受けたので、当時同じ職場にいたその後輩に「読んでみたら」と渡した。 その後輩も「裸でも生きる」を読んで感動したらしく、マザーハウスのバッグを買ったとのことで、ちょっと嬉しかった。
検索すると、この本が出版されていたので読んでみた。
マザーハウスは
「裸でも生きる1,2」から10年を経過して立派なブランドに成長したように見える。 なにより、山口絵理子氏の理念「発展途上国から世界に通用するブランドをつくる」が実現できているようだ。
理念が実現できて経営が軌道に乗ったら、人は守りにに入りそうなものだが、「裸でも生きる3」を読むと、新しいことに挑戦し続けている姿が見える。 まだまだ、発展途上国はたくさんあるし、世界に通用する素材も技術もたくさんあるから、山口絵理子氏にしてみれば「発展途上国から世界に通用するブランドをつくる」は道半ばなのだろう。
この本やブログを読むと、
「結果よりプロセスが大事」という言葉が出てきて、ちょっと困惑してしまった。
いくら、良い素材や高い技術があっても、それを形にして顧客に買ってもらわなければ商売として成り立たない。 しかも、山口絵理子氏は発展途上国への援助という理由で売れることを潔しとしない。 社会起業家と評されることにも抵抗があるようだ。
であれば、プロセスも大事だけど売れたという結果の方が大事ではないか。少なくとも経営者なら製品が売れなければ会社も、発展途上国の社員も養えないと考えるのではないかと思った。
先進国からの援助でもなく、大資本への労働力の提供でもなく、発展途上国の良い素材、高い技術で製品を造りそれを売って正当な報酬を得る仕組みを創るときに、プロセスの方が大事だということに気づかれたのかもしれない。
「裸でも生きる3」は、
インドネシアやスリランカの職人さんとの交流が多く、経営者ではなくデザイナーとしての目線、0を1にする人の目線で書かれている。
この本を読んで感じたのは、山口絵理子氏の「職人を見る目」だ。きっとこれが10年間の成長なのだろうか。
話は変わるが、
職場では「成果を上げよう」と言っている。 時々「プロセスはどうでもよいのか?」と言う人がいるのだが、そんなことはない。 むしろ、正しいプロセス踏まなければ成果は得られないから、プロセスは重要だと思っている。
今は、良いプロセスだけで満足するのではなく、それを成果につなげることが重要という意味で「成果を上げよう」と言っている。
山口絵理子氏は
結果を出しているので、堂々と「プロセスが大事」と言えるようになったのかもしれない。
残念だがウチはまだ「成果を上げよう」と言わなければならない。
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