(第263話)会社として新入社員に最初に分かってほしいことは何か?
成長支援部からの提言 (2019/03/19)
判断基準を先に伝えず、結果を見て後から叱責するのは成長が止まる会社
判断基準を予め伝えて、後から上手く軌道修正するのが成長し続ける会社
らしい。
新入社員は企業理念を伝えられても行動に繋がらないことが多いから、判断基準を伝えられると行動しやすい。 だから、この提言は正しいと思う。
ところで、タイトルは新入社員に対するメッセージのようだけど、内容は経営者に向けてのメッセージだ。 つまり、会社は新入社員に判断基準を伝えるべきという主張だ。
新入社員に判断基準を伝えられない会社は多いのはなぜだろう?
〇例外
判断基準を伝えようと言うと例外を気にする人がいる。
例外の判断は新入社員でなくても難しいので、多くのケースで判断できる基準を伝えて、例外は経験を積みながら覚えたいいんじゃないだろうか。
〇自分で勝手に判断するな
最近の新入社員は「相談しないで自分で勝手に判断する」という先輩社員のボヤキを目にすることがある。判断基準を知らないなら上司や先輩に判断を仰ぐべきという意見だな。
もっともらしい意見だけど、判断基準を明示できないだけ、いや判断基準が無いだけかもしれない。 先輩も、判断できないことがあると、その都度上司に判断を委ねているから、判断基準が無いだじゃないのか?
〇何でもすぐに聞くな
分からなかったら聞けという輩にかぎって、何でもすぐに聞くなと言う。
でもね、わからないことがあればその都度判断を仰げと指示するとどうなるか。
自ら判断する者が減るだろう。そして、縦割りのセクショナリズムが横行するようになるね。
〇少しでも違うと判断を仰ぐようになる
自ら判断できない者は、過去に判断を仰いだ案件と同じでなければ自分で判断できないよね。 だから、似たような案件でも少しでも違うと判断を仰ぐようになってしまう。
そうすると、いつまで経っても判断基準が分からないから、いつまで経っても自ら判断しなくなくなる。
〇2つの所属に関係する案件
2つの所属に関係する案件は、初めて判断しなければならないことが多いんだ。
自ら判断しない者にとっては、かなり厄介な案件だ。 自分の上司だけでなく、よその所属にも判断を仰がなくてはならないから、2つ所属の判断が異なると調整は超大変だ。
何度も、何度も、2つの所属を行ったり来たりしなくてはならないから、所属の間の仕事はなるべくやらないようにすると、所属の間に溝ができる。
そして、所属の間の案件はなるべく他の誰かに押し付けようとするから、縦割り組織のできあがりだ。
〇部下が自分で判断しないようにする
部下が自分で判断しないようにするのは簡単だ。判断を誤ったときに叱責すればよい。
自ら判断すると判断を誤ることはよくある。 でも、判断の誤りは判断基準を修正する良い機会だから、その都度判断基準を修正すれば良い。 だけど、人は叱られたくないと思うものだ。
だから、判断を誤ったことを叱責するれば、てきめん自分で判断しなくなるんだね。
〇新入社員の君に
就職した職場は、判断基準を教えてくれないかもしれない。 先輩も判断基準を教えてくれないかもしれない。 「判断基準を教えてください」と言っても無理かもしれない。 だって、判断例はたくさん知っているけど判断基準は知らないのだから。
だったら、自分で判断基準を考えればいいんだ。 先輩や上司に叱られたら、自分の判断基準をアップデートすればいいだけ。
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