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2019年5月17日 (金)

モノ作らぬメーカーに パナソニック・津賀社長の危機感

モノ作らぬメーカーに パナソニック・津賀社長の危機感 日経新聞電子版 (2019/2/10)

 パナソニック津賀社長のインタビュー記事

「現在の危機感はもう200%、深海の深さだ。今のままでは次の100年どころか10年も持たない。会社をばらばらにすれば生き延びる事業もある。だがパナソニックを任されている私にその選択肢はない」

「10年も持たない」はかなりインパクトを与えたようで彼方此方で引用されている。 パナソニックは、プラズマ・ディスプレイで大コケして、イーロン・マスクに振り回されているので冗談ではない切実感がある。

 アマゾンのAlexa対応電子レンジ"AmazonBasics Microwave"の発売に対して、

「アマゾンが人工知能(AI)スピーカー搭載の電子レンジを造るなどハード分野を侵食しています。」

との質問に

「アマゾンに電子レンジの何が分かるのか。私はGAFAを否定しないが、GAFAと同じように我々も進化する」

はハッタリか? GAFAと同じような進化は相当難しそうだけど...

 津賀一宏社長の苦悩はかなり深刻なようだ。

「理想はハードを作らないメーカー。製品の仕様を出して誰かに作ってもらう。ただ、品質や調達など高いレベルが必要で、丸投げのファブレスは成立しない。日本の工場で品質面などを実証した上で海外の生産はパートナーに任せるなど、ファブレスへのシフトがこれからの主たる取り組みになる」

疑問は、果たして、成長の足かせはハードを作っていることなのだろうか? ファブレスにシフトするとGAFAのように成長するのだろうか? ということ。

 週刊現代の記事、「パナソニック社長の「今のままでは10年も持たない」発言、その真意」週刊現代(2019/05/01)に、幹部社員のインタビューが紹介されている。

「打つ手がない、それが津賀さんの正直な答えだと思います。それでも、資金のあるうちにあれこれやってみて、キングメーカーの位置を維持したいのでしょう。

問題は山積みです。まず、製造の軸がソフトに移行すれば、工場の統廃合や従業員の配置転換は不可避です。生産現場の人間には死活問題になる。

また、津賀さんは積極的に外部人材を幹部に登用しています。外部の意見が大切なのはわかりますが、これに敏感なのが出世街道を歩んできた幹部たちです。

これまで上から『死ぬ思いでやれ、血の小便が出るまで働け』と言われ、しんどい思いをしてきたのに、役員になる道は閉ざされた」

と、幹部社員はインタビューに答えたそうだ。

 ハードを作って成功してきた人たちはハードを作らないメーカになれるのだろうか?との問いに、おそらく、津賀 一宏社長は無理と思っているのではないだろうか。 「松下電器」の社員はハードを作らない会社に転換できないと。

 このあたりが、嘘か本気か"モノづくり"を掲げるトヨタの豊田章男社長と雰囲気が違うところなのかもしれない。 GAFAの影が忍び寄っているのはトヨタも同じだけど。



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