自由研究の工作キット禁止について思うこと <重要なのは「ハテナ」>
自由研究の工作キット禁止について思うこと―評価の観点から― (2018/08/14)
自由研究で工作キットが禁止される理由は、
評価の観点
- 作品にどれくらい時間をかけたか(どれだけ労力がかかっているか)
- 作品の完成度がどれくらい高いか(どれくらい丁寧に仕上がっているか)
- 作品にオリジナリティーがあるか
から、
ズバリ、「作品に対する評価が下がってしまうから」だと思います。
学校の先生方もいじわるをしているわけではないと思うのです。
工作キットで済ませるのはずるいとか手抜きだとかそういう話ではなくて、おそらく子供の作品に良い評価をしたいために工作キットの使用を禁止しているのではないかと考えます。
ではないかという。
教育者(学校や先生)の奢りだ。 学校での評価より、新しい事に気づくこと、科学や技術に興味を持つことの方が重要じゃないだろうか。
小学校のとき、理科の最初の授業で先生は黒板に大きく「?」を書いて、
「これはなんだ?」
と質問された。 ?_?)な生徒に
「これはハテナ。」
「分からないことは悪いことじゃない。」
「ハテナと思ったことは忘れないようにしよう。」
とおっしゃった。
今でも覚えているし、今でも心掛けている。先生ありがとうございます。
閑話休題
娘たちの自由研究は何度も手伝った。 夏休み前や夏休み終わり1週間くらい前になると、相談してくるのでネタを提供していた。
ある年のこと、長女に11円電池の自由研究を提案してみた。 1円と10円の間に濡らした紙を挟むと電池になるという自由研究の定番だ。 残り1週間でできる。 (^^;
実験の基本は、条件を変えて測定してデータを取ってまとめる。そして、実験結果から考察を書く。 さらに、仮説を立てて実証実験をやれば完璧だけど、1週間でそこまでは無理だ。
定番ネタはマネたと思われるのは癪だから、オリジナルの要素を忍ばせておく。 かといって親が本気で手伝ったと思われるのも癪だから、実験のやり方とかテスターの使い方を教えて後は口を出さない。 興味を示したらヒントを与えるのだけど、興味を示さないなら考察が間違っていても口は出さない。
当時、長女の興味は科学よりエレクトーンだった。
考察は間違っていたし、オリジナル要素は気付かれなかったらしく評価は微妙だった。 (^^; 評価されることが目的ではない、「ハテナ」と思ったら試してみる、考えてみることが分かればよい。
この研究には後日談がある。
何年か後に自由研究のネタに困っていた塾の友達に見せたらしい。 なんとその友達はパクってコンクールで表彰されたらしい。
きっと、大人が監修したのだろう。
大人になっても、就職してからも、自由研究はやる。
答えが分かっているなら研究する必要はないから、最初は答えは分からない。 そのときに、「ハテナ」ではじめた自由研究の経験が役立つ。
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コメント
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私にも経験があります。
20年ほど前、息子に夏休みの研究に、工作キットがなぜ動くかをやらせてみました。
すると、キットは使わないようにとのコメント。
作ることが目的ではなく、なぜ、どうして、と言う疑問を持たせようとしたんですけどね。
投稿: DAI | 2019年6月29日 (土) 10時17分
DAIさんコメントありがとうございます。
自由研究は工作や実験、観察なんでもいいので評価が大変なんでしょうね。
工作はArtだったりTechnologyだったり、実験、観察はScienceだったりします。Artが目的だったらキットは手抜きなのですが、Scienceだったら実験の手間を省く道具なので何の問題も無い。
特に理科が専門でない先生は評価するのが大変なんでしょうね。
投稿: Yoshi | 2019年6月30日 (日) 22時05分