なぜ人は昇進すると横柄になるのか
なぜ人は昇進すると横柄になるのか
ダッチャー・ケルトナー
Diamond Harvard Business Review June 2017
権力のパラドクスとは
人は他利的な行動が認められて権力を得る。権力を得ると利己的な行動をとるようになる。
ことらしい。
「権力は腐敗する」と言ったリ、「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」と言ったリ、洋の東西を問わず、権力を持つものを戒めてきた。 遥か昔から洋の東西を問わないところを見ると普遍的なものなのだろう。
ところが、当の本人は自覚していないことが多い。権力を得る前も後も、本人の行動様式は変わっていないのではないだろうか。
つまり、
人は、程度の差はあるが、他利的な行動も、利己的な行動もとる。他利的な行動と利己的な行動の割合や程度は個性であろう。
権力を持たない者は、他利的な行動は評価されやすく、利己的な行動は大目に見られる。そして、多利的な行動が評価されるとリーダーとなり権力を得る。(集団では、他利的な行動をとる者に権力を与えると利益が大きくなるので、多利的な行動で判断する)
権力を得ると評価の基準が変わる。より多くの他利的な行動でなければ評価されなくなり、利己的な行動は厳しく評価され大目に見られることはなくなる。
ところが、本人の行動様式は変わらない。すると、それまで評価されていた他利的な行動は評価されず、大目に見られていた利己的な行動は非難されるようになる。
周りの人の評価基準が変わっただけで、権力を得た人は変わっていない。しかし、周りの人は言う。「偉くなったら人が変わった」と。
観点は2つ
権力を得た者は、権力を得たら自分の行動様式を客観的に見直す。特に利己的な行動を見直す。 「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」という考え方。
権力を与える人は、他利的な行動だけに目を奪われてはいけない。むしろ、利己的な行動が無いことに注目すべきだ。 「リーダーに唯一必要な資質は、誠実さである」という考え方。
昇任は他利的な行動の結果を評価されることが多い。だから、昇任すると人が変わる人が多い。いや、利己的な行動を評価せずに、昇任させているだけだ。
他利的な行動を増やして、利己的な行動を減らす。これが、リーダーとしての成長ということかもしれない。
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