知識のコレクション <せめて300時間やってみようよ>
技術系の研修に関わっていると、研修内容が専門性につながっていない人を見かける。
研修を受けただけでは、知ってはいるができるようにならない。つまり知識のコレクションになっている。
一流になるには10,000時間の学習・訓練が必要と言われる。
素人から玄人に、アマチュアからプロフェッショナルになるには1,000時間必要と言われる。
とりあえず一人でできるようになるには300時間くらい必要だ。
【10,000時間】
10,000時間を確保するには、1日10時間確保すると、週50時間、年50週とすると4年必要だ。
10,000H÷(10H/日×5日/週×50週/年)=4年
1日10時間、4年間同じことをやるには、それを仕事にするしかない。他の仕事の合間に確保できる時間ではない。
【1,000時間】
1,000時間を確保するには、1日1時間確保すると、週5時間、年50週とすると4年必要だ。
1,000H÷(1H/日×5日/週×50週/年)=4年
週5時間は現実的になる。週末に時間を確保すれば、他の仕事をしながらでも確保できるだろう。
しかし、4年間続けなければならないので、モチベーションが不可欠だ。
【300時間】
300時間を確保するには、週2時間確保すると3年、週5時間確保すると1年3月くらい必要だ。
300H÷(2H/週×50週/年)=3年
300H÷(5H/週×50週/年)=1.2年
これなら、週末の余暇でも、毎日の仕事の一部でも確保できるだろう。
300時間を超えると一人でできるようになるので、仕事を任される機会が増える。
仕事で毎日やれば、週当たり8時間×5日=40時間、月当たり40時間×4週=160時間確保できるので、短期間で1,000時間確保できるようになる。
とりあえず、300時間をクリアするのが目標だが、適性がない場合は、300時間では足りない。残念ながら技能の習得には向き不向きがあるから。
人にとって時間は最も貴重なリソースだ。その貴重なリソースを投入するのだから、流行りに流されず、適性がある分野、モチベーションが維持できる分野を見極めなければならない。
研修を受けさせる人も、受ける人もこの事実に目を背けているんじゃないだろうか? だから知識コレクターになる。
- 知識のコレクション <せめて300時間やってみようよ>
- とりあえず1,000時間やってみようよ
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