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2019年7月 8日 (月)

技術者のマネジメント(4)

技術者のマネジメントにおいて、成果を上げるため能力を高めることは重要だ。
技術者が能力を上げることについて、技術者のマネジメントができない管理者(マネジャに非ず)の懸念は、

  • 知識・技術を悪用するのではないか
  • 辞めてしまうのではないか

らしい。この懸念について考えてみた。

【知識・技術の悪用に対する懸念】
★技術者にとってブラックな職場だということ。

 安全欲求や承認欲求を満足していない場合には、知識・技術は悪用されやすい。

 能力に見合った対価が支払われていない場合や、地位や名誉が与えられていない場合に、悪意を持った者が安全欲求や承認欲求を与えたら、技術者は能力を提供し、能力が悪用される。

 つまり、知識・技術の悪用を懸念する管理者は、技術者に対して、正当な対価を支払っていないし、正当な地位や名誉を与えていないのだ。
多くの場合、管理者自身も安全欲求や承認欲求を満足していない。

【組織に離反する懸念】
★技術者に社畜になることを求めている職場だということ。

 日本の社会では、辞める、転職することを組織への裏切りと捉える管理者は多い。

 管理者や組織が技術者を人ではなく単に能力として管理している場合、その能力が失われるとダメージがあり、失われる能力が高いほどダメージは大きい。このときに、管理者や組織の損得しか考えられておらず、技術者の損得は考えられない。ましてや、管理者や組織と技術者がWin-Winの関係になることは全く考えられていない。

 つまり、技術者が辞めることを懸念する管理者は、技術者を心を持った人ではなく無機質な能力として管理しようとしている。
多くの場合、管理者自身も人として扱われていない。

【まとめ】

 冒頭の懸念を持つ管理者は、ブラックな職場を変える能力も自身が社畜であることも認めることができないし、自身が、技術者をマネジメントして成果を上げる能力を持っていないことも認めることができないのである。

管理しかしていない者には難しいが、マネジメントすれば簡単なことだ

  • 技術者の承認欲求を満足して、自己実現の内発的動機付けをすれば良い
  • 技術者が辞めたり転職したら、また育成すれば良い

高い能力を持つ技術者を貶めるような発言をするよりよほどましであろう。



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