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2019年7月23日 (火)

働き方改革(5) <管理職には期待できない>

Yoshi品質研究所 770回

【働き方の強制】

 Yoshi品質研究所さんは、

有給休暇を取りましょう!就業時間を短くしましょう!大いに結構なことですが、強制してやらせなければならないのでしょうかねえ。

とおっしゃる。

 働き方改革が、残業時間縮減だったり、有給休暇の強制取得だったりするのは安直だ。
多くの日本人はこれまで、明に暗に仕事が無くても残業したり、有給休暇が自由に取れない働き方を強制されてきた。
そして、最近は、残業を禁止されたり、有給休暇の取得を義務付けられたりするようになった。

 強制されていることに変わりはない。

 高度成長期やバブル期は強制されても給料の多さや未来への希望があったので、強制された働き方への不満は相殺されていたのだろう。
では、給料が増えない、将来に希望が持てない時代になっても、働き方を自ら変えられないのはなぜか?

 それは、周りと同じようにしなければ、同じ価値観を持たなければ、組織から排除されるからだろう。特に若い世代はそのような環境で育っている。

 強制されなければ働き方を変えられないならば、強制することが直ちに悪いとは言えないのではないだろうか。 最善策ではなく次善策かもしれないとしても、小手先の対策だとしても。

【やりがい】

 自分の中でやりがいがあれば、仕事をしている時間などは問題ではないのです。やらされ仕事とか、終わりの見えない仕事などを与える側が何とかしないと、働き方などは改革できません。

は賛成だ。

 経験では、仕事に「やりがい」を感じているときは時間を感じなくなってしまう。

 管理者的には、部下に「やりがい」を与えることはできない。「やりがい」は本人が感じるもので他人から与えられるものではないから。

 管理職が「やりがい」を言うと途端に胡散臭くなる。それは、都合のいい「やりがい」を押し付けようとしているか、対価を支払わない口実しているからだ。つまり、「やりがい」の搾取だ。

 じゃあどうするかと言うと、Yoshi品質研究所さんのおっしゃる通り、やらされ仕事とか、終わりの見えない仕事などを与えないことは重要だ。

 しかし、これまで、やらされ仕事とか、終わりの見えない仕事で評価されて管理職になり、未だ「やりがい」を持たず、やらされ仕事をしている管理職が考え方を変えるのは、そんなに簡単なことではない。

【結論】

 残業時間縮減だったり、有給休暇の強制取得は、「やりがい」を持って長時間働いている人にとっては効果は無いが、「やりがい」の無いやらされ仕事をしている人にとっては一定の効果はある。 しかし、これは改革ではない。せいぜい改善だろう。

 働き方改革は、小手先の対応ではなく、変えることが必要だが、管理職には難しい。

 経営層は働き方改革を管理職に丸投げしてはいけないと思う。
残業時間縮減や、有給休暇の強制取得のような小手先の対応に頼るだけで改革とは程遠くジリ貧になるのがオチだ。



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