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2019年9月17日 (火)

Mobility 3.0 <世界はGoogle帝国になってしまうのか?>

Mobility 3.0 ディスラプターは誰だ? アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 モビリティチーム 東洋経済新報社

Mobility30

 コネクテッドカーや自動運転に関わることが多くなった。仕事柄技術に偏りがちなので、おさらいで読んでみた。

〇過去の革命的変化

↓この写真は、自動運転やAIのプレゼンでよく使われる。内燃機関を動力にした自動車によって社会が短期間にしかも劇的に変わった例だ。

↓1900年のニューヨーク5番街

↑(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4e/Ave_5_NY_2_fl.bus.jpg/800px-Ave_5_NY_2_fl.bus.jpg)

↓1913年ののニューヨーク5番街

↑(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4e/Ave_5_NY_2_fl.bus.jpg/800px-Ave_5_NY_2_fl.bus.jpg)

〇現在の革命的変化(CASE)

 同じような変化が起ころうとしている。

 自動車業界の変化はCASE(Connected、Autonomous、Shared/Service、Electric)といわれるが、この変化は自動車産業だけでなく、通信、ハイテク、金融、エネルギー業界に及ぶという。

 今のところ、Shared/Searvice分野での変化が先行しているようだ。日本の自家用車の稼働率は数%らしいので、個人で所有するのと同じ利便性が得られるなら所有しなくなるだろう。

 車がセンサーになってデータが集まると新しい事業が生まれる。
急減速や信号の情報などのデータを集めて分析して保険料に反映するのは既存の事業の連続だが、今現在存在しないサービスが出現するのだろう。

〇自動車業界

 通信とビッグデータとサービスという観点では、GoogleとSoftbankが先行しているようだ。

 2017年のSoftbank wordで講演を聞いたときに、通信関係の講演の他にAIと自動運転の講演が多かった。AI関係が多いのはわかったが、なぜSoftbankが自動運転と思った記憶がある。

 その後トヨタとSoftbankの業務提携が発表された。業務提携はトヨタからのオファーだったらしい。それより前にトヨタはSoftbankからの業務提携のオファーを断っていて、その後トヨタが業務提携先を探していたらほとんどSoftbankが業務提携・資本提携していたらしく、だったら大元のSoftbankと業務提携しようとなったらしい。

 最近トヨタが事業転換するというメッセージを発信しているが、自動運転業界に疎いせいか、いまいちピンと来ない。Softbankにイニシアチブを握られている感があるなあ。

 これまでトヨタは業界の頂点にに君臨していたわけだが、業界自体が変ろうとしている。T形フォードによって、馬車も馭者も馬も無くなって、線路が無い場所にも手軽な移動手段が生まれたように。

〇エネルギー業界

 エネルギー業界への影響は盲点だった。
 日産リーフに充電された電力で家に供給するのは知っていたが、今後車がEVになれば、巨大な蓄電池が出現することになる。これを安定しない再生可能エネルギーのバッファとして使うアイディアだ。その向こうにはスマートシティがある。

〇規制の足枷

 CASEは社会インフラを変えるから、業界だけでなく、行政の取り組みが重要だろう。
どこの国でも行政は縦割りになりがちだ。変革期に規制は足枷になるから行政の対応は極めて重要だろう。

 物にフォーカスするなら、これまでのようにガラパゴス化して細々と産業を保護することができるかもしれない。しかし、今重要なのは物よりデータだ。この変革期の対応に遅れると、世界はGoogle帝国になってしまう。



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