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2019年9月25日 (水)

NEWTYPE ニュータイプの時代(1) <ルールより自分の倫理感に従う>

時代を生き抜く24の思考・行動様式 NEWTYPE ニュータイプの時代 山口周 ダイヤモンド社

Newtype

 山口周氏は、コンプガチャの問題や医療系キュレーションメディアの問題を取り上げて、オールドタイプの「ルールさえ守ればよい」という考え方はリスクが高く、変化が早い社会では、自分の倫理観に従って判断するべきとおっしゃる。

 「やらなくてはならないこと」と「やってはならないこと」はルールで、この間に「やっってもやらまくてもよいこと」がある。
「やってもやらなくてもよいこと」なので、やってもやらなくても罰せられることはない。 しかし、やるのか、やらないのか判断しなければならない。これからは自分の倫理感に従うべき。

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 ↑のような図で考えてみた。ルールには「やらなくてはならないこと」(白)と「やってはならないこと」(黒)の間に「やっってもやらまくてもよいこと」(グレー)があって、境目は明確だ。自分の倫理観では「やる」(白)か「やらない」(黒)か、その境界は、ルールの「やっってもやらまくてもよいこと」(グレー)の部分にある。

 ルールは時と場所により変わる。しかも恣意的なルール変更もある。
ルールを作ってそれを運用するのはコストがかかるから、顕在化した問題から法整備される。法整備はいつも現状の後追いだ。つまり、合法だった行為がある日突然違法になる可能性があるということだ。これはリスクが高い。

 特に、サイバーセキュリティの世界は法整備が遅れている。
例えば、ウイルスを作ることは2011年に刑法が改正されるまで違法ではなかった。取り締まる法(ルール)が無かったのだ。
しかし、法ができる前からマルウエアを作り他人のコンピュータに感染させる行為は行ってはならないと考えていた。これが自分の倫理感だ。

 サイバーセキュリティ業界の識者の人は「倫理が重要だ」とおっしゃる人が多い。しかし、その内容は「ルールを守りましょう」だ。冒頭の図でいうと、まるでグレーの部分が無いかのようだ。いや、サイバーセキュリティ業界には倫理観が無いのかもしれない。

 ITやサイバーセキュリティの分野では技術に法整備が追いつかないから、グレーゾーンが広く、やるべきかやらざるべきかを自ら判断しなければならないケースが多い。

 サイバーセキュリティ技術者として、グレーの部分にどう向き合うか。これがサイバーセキュリティ技術者の倫理だ。識者の方、特に人材育成に携わる方には、「ルールを守りましょう」ではない、サイバーセキュリティ技術者の倫理観を教えて欲しい。

 サイバーセキュリティ技術者はオールドタイプでは務まらない。ニュータイプに必要なものは倫理観だ。



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