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2019年10月 9日 (水)

AIに負けない子どもを育てる

AIに負けない子どもを育てる 新井紀子 東洋経済新報社

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AIvs.教科書が読めない子どもたち
で紹介されていたRST(Reading Skill Test)のお話。

 新井紀子氏はAIの研究をやめて教育 研究に分野を変えたのかと思ったらそうではなく、RSTを最先端AIに解かせることでAIの弱点や限界を把握しようととしていとのことで、

私はAIへの関心を失ったわけではないのです。RSTを武器に次のステージに進んだだけです。

らしい。
とは言いながら、国語教育の改革への 思いを感じる。

 とある記者にこんなことを言われました。

 「先生の教育論は、スパルタで古臭くて記事になりにくいのですが……」

 そういう了見の新聞社には、記事にしていただかなくて結構です。私は、今書いていることに自信があります。

とおっしゃる。
旧来の国語教育で獲得した、行間を読む能力をフル稼働すると。
「日本語を生業とする新聞屋がそんな了見でいいのか」
のように読める。

 子供の読解力の低さについては、RSTで客観的な結果が示されている。
読解力が無いから暗記している。この事実を国語以外の科目の教師は認識しているが、国語の教師は受け入れられないらしい。国語の教師だけが論理的な思考ができないわけではないだろう。

 推測すると、教師は、生徒が理解することではなく、教えた(授業した)内容のテストで高得点を取ることを目的にしているのではないないだろうか。

 この行動様式は国語の教師も他の科目の教師も同じだろう。保護者から商業主義の塾と同列に扱われるので、同情すべき事情はあるのだが...

 どの教科も穴埋め問題、択一問題、数学の計算問題はパターンマッチで回答できるし、化学や歴史、国語の漢字は記憶だから読解力は必要ない。

 読解力が必要なのは文章問題だ。文章問題が国語と国語以外の教科で異なるのだろう。国語以外の科目の文章問題は読解力がなければ回答できない。ところが、国語の文章問題は、文学偏重の影響で、登場人物の心情など、問題文に記述されていない内容を問う設問がある。(多い)

 合理的に推測できるならまだしも誰かの主観が正解とされていて、文章を読解する能力ではなく出題者の主観を推測する能力が問われる。
つまり、国語のテストで高得点を取るためには読解力は必要ないのだ。

 だから、国語の教師は生徒が読解力が無いことに気がつかないのではないだろうか。

 指導要領が改正されて、国語は高校で「論理国語」が導入され、これまでの、文学偏重が変わるらしい。良いことだ。

閑話休題

 自分のことを考えて見ると、子供の頃からキーワード読みだと思う。
途中のストーリーは合っているけど結論が逆ということがよくあった。今もだ。日本語は文末で意味が逆転するから、文末まで注意して読まなければならないのだが、途中で分かったことにしてしまう。

 パターンマッチで回答できる穴埋め問題も「次の文の[  ]に入る言葉を下の語群から選んで、その記号を解答欄に記入しなさい。」という問題は、語群を見ないで回答したり、記号でなく単語を記入したり、解答欄でなく問題の空欄に記入したり、していた。

 なぜか、テスト終了3分前に気がつく。orz

 子供の頃からパズルが好きで、頭の体操シリーズをよく読んでいた。この手のパズルはパターンマッチでは解けないので、理解して読むようになった。引っ掛けは、論理的にカバーされていない条件にあることが多い。

 おかげで、モードを変えることができるようになった。

 今でも、他人が書いた文章の添削をするときには、モードを変えて読むようにしている。



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