ヒューマンエラー対策 <メール誤送信を例に>
自分の職場のヒューマンエラーは生々しいのでブログに書きにくい。
最近、某アパレル製造販売会社から、メール誤送信についてお詫びのメールがきた。採用担当者が会社説明会参加者に対して送信したメールの宛先に、顧客やメールマガジンのメールアドレスが混ざっていたらしい。このメール誤送信をヒュマンエラー防止の観点から考えてみた。
そのアパレルメーカーによると、原因と対策は
- (1)誤送信の原因と経緯
採用担当者が、過去の採用説明会にご参加された方に面接のエントリーをご案内するメールを一括送信しようと致しました。
行っていたメールの一括配信の操作の中で、お送りする対象の方の絞り込みができておりませんでした。
また、表示されている配信対象者の絞り込みができていないことに気づかないまま配信を行ってしまいました。 - (2)再発防止策について
お客様に対するメールの配信機能と、採用候補者様へのメール配信機能を別のものにして運用いたします。
また、配信前には必ず操作担当者以外に承認者を設けルールを厳格に運用してまいります。
らしい。
これだけの情報では、なぜなぜ分析できないので、原因の特定が妥当かどうかはわからない。本気で原因を追究するなら、メールアドレス配信までの手順や画面遷移を検証する必要があるのだけれど。
簡単にいうと
原因は、
- 顧客データの中から送信するメールアドレスの選択を間違えた。
- その間違いに気が付かななかった。
対策は、
- 顧客管理と採用を別の機能にして、メールアドレスの選択をしないようにする
- 配信前に操作担当者以外の承認者を設ける
かな。
原因はもっと追究できるはず。その中で対策すべき原因として「メールアドレスの選択を間違えた」ことと「それをチェックできなかった」が残ったのだろう。
考えてない対策は、
「送信前にチェックを確実にします」で終わる。
でも、メールアドレスがたくさんあると人間の目ではチェックできない。
チェックできないからダブルチェックとかトリプルチェックしようとする。
そして、チェックが負担になってチェックしなくなる。orz
じゃあ、チェックシステムを作って省力化しようかって、
そもそも、なぜ誤送信したのか原因追求ができていないし、原因に対する対策ができていない。
だからエンドレス...
ちなみに、この誤送信事案の時系列は
14:00 誤送信
15:05 お詫びメール
21:33 原因と対策メール
顧客情報が流出したわけではなさそうなのでインシデント対応としては、まずまずかな。
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