マネジメント能力が獲得できない人
技術屋崩れのマネジャーは使えないことが多いと思う。自分が技術で生きて来たからなのか、自分が技術者崩れの使えない管理者になる恐怖感があったからなのか、それはわからない。
なぜ使えないマネジャーになるのか考えてみた。
一般的には、専門的な能力が高くてもマネジメント能力が高いとは限らない。
何年か前に仕事をマネジメントに変えて人を観察するようになってわかったことは、汎用的な能力が高くても、やはりマネジメント能力が高いとは限らないこと。
事務処理能力が高く、凡人2人分の仕事をするような人が、その能力を評価されて昇進する。そして、部下を2人持つと周りは部下を含めて3人で4人分の仕事を期待される。ところが、3人分の仕事も危うい状態になるのである。
なぜか? 昇進する前のように2人分以上の仕事をしようとするからだ。
昇進する前に2人分の仕事ができたのは、2人分の仕事ができるような環境を作っている人がいたからだ。つまり、マネジャーがいたおかげで2人分の仕事ができていたのだ。しかし、2人分の仕事ができる人はマネジャーの仕事に気がつかない。
チームで仕事をするには調整やコミュニケーションなどたくさんのロスがある。方向性が揃っていなかったり、目標が共有されていなかったり、モチベーションが維持できなかったりすると、チームは簡単に人数分の仕事ができなくなる。
このとき、昇進する前に2人分の仕事していた人は、頑張って3人分の仕事をしようとする。ところがマネジャーがいないから3人分はとても無理で、2人分はおろか1人分の仕事も危うくなるのだ。
観察してわかったことは、トップが最も働いているようなチームは、たいてい人数分の仕事ができない。
マネジメント能力を獲得するために必要なことは、自分の頭で考えることだと思う。そして、マネジメント能力は昇進した後からでも獲得することができる。
命令されたことを他人の倍の速さでやるより、命令の意味が考えられる方がマネジメント能力を獲得しやすいと思う。
« なぜ残業を減らしたのに、会社が儲かるのか? <働き方改革は改善活動なのか?> | トップページ | 問題解決法を知らない人 »
「マネジメント」カテゴリの記事
- ミドルマネジメントのスキルアップ(2020.08.01)
- コロナ後の「管理職」 <管理職からマネージャへ>(2020.06.19)
- マネジメント能力が獲得できない人(2019.12.13)
- 管理職に必要な能力はどうやって修得するか(2019.09.15)
- 技術者のマネジメント(4)(2019.07.08)
« なぜ残業を減らしたのに、会社が儲かるのか? <働き方改革は改善活動なのか?> | トップページ | 問題解決法を知らない人 »
コメント