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2019年12月15日 (日)

問題解決法を知らない人

 問題解決法にセオリーがあることを知らない人が結構いる。

  • 問題解決には一般的なセオリーがある。
  • 問題解決法を知らない人は場当たり的に対応する。
  • 問題解決法を知らない人がマネジャーになると組織が問題先送り体質になる。
  • 問題解決法は若いうちに学ぶべき。

問題解決法

 問題が発生したときに、解決すべき問題の決定や原因の追求、解決策の優先順位の決定など苦もなく決定・実行できる、問題解決能力が高い人がいる。このような人は、「問題解決法」を振り回しているようには見えない。経験に裏付けられた暗黙知があるのだろう。

 暗黙知は伝えにくいし、学びにくい。なぜその解決策を思いついたのか、尋ねても明確な答えが返ってこなかったりする。考えてみれば、先輩や上司から教えてもらった問題解決法は業務に特化したものだから、業務が変わったり昇進すると使えなくなる。

 昇進したときの研修でも教えてもらってない。だから、問題解決法をマネジメントに必要な能力の一つとして勉強し始めた。分かったことは、一般化された問題解決法があって、業務や役職などの自分が置かれた環境に適用すればよい。問題解決法自体は汎用的だから、業務や業種、役職が変わっても使える。

問題解決法を知らない人

 問題解決法を知らない人は、問題が発生したときに場あたり的に対応する。もちろん、問題発生時の一次対応は重要だ。一次対応を誤ると被害が拡大する。眼の前にある顕在化した問題が沈静化するのは目に見えてわかるから、場当たり的な対応がうまい人は、問題解決能力が高いと評価されていたりする。

 それに比べて、問題の真因を発見して対策を実施するのは、地味で効果も見えにくいから評価されない。しかし、顕在化した問題にその都度対応するより、問題を解決すれば、顕在化することもなく対応の必要もない。

 組織的な対応が必要な対策を実施するには、それなりの権限が必要だ。逆に言うと、権限に応じた問題解決能力を持たなければならない。

 権限が少ない担当者ができるのは自分1人でできる対策が多い。問題解決のセオリー通りに考えて対策を実行するのと、場当たり的に対応するのは、同じように見える。同じことも多い。

 権限が少ない担当者のときに場当たり的な対応が上手くなった人は、
昇進して権限を得てもやはり場当たり的な対応で乗り切ろうとする。
その結果、チームや部署、部門全体が場当たり的な対応しかせず、問題は解決されず放置されることになる。
そのときに、場当たり的な対応が下手な人は問題を先送りにする。
そして、チームや部署、部門全体が問題先送り体質になる。

問題解決法はいつ学ぶのか

 何年か前に、ミドルマネジメントを対象にして、解決しやすさそうな問題を選んで、問題解決能力の獲得に取り組んだ。しかし、残念なが達成できなかった。ミドルマネジメントが行動を起こそうと思うような動機付けもできなかった。

 何十年も場当たり的な対応や先送りで過ごしてきた人の行動様式が一夜にして変わることなどないから、問題解決能力は若いうち獲得する方がよい。しかし若いうちは担当業務の能力を向上させることを優先するから、初めて昇進して部下を持つ頃にトレーニングするのが効果的だと思う。

 定期的に同じ問題が顕在化する職場は、問題解決法を知っている人がいない職場だ。そのような職場では、問題解決法を教えてくれる人はいないので、自分で学なければならない。これから先、場当たり的な対応や問題先送りで過ごすより、はるかに建設的だ。そして、マネジメントするようになったら周りを幸せにできる。



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