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2019年12月 4日 (水)

新 ・敬語論なぜ 「乱れる 」のか <慣用には寛容が肝要だ>

新 ・敬語論なぜ 「乱れる 」のか 井上史雄 NHK出版

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 この本は、敬語の使い方が書いてあるHowTo本ではない。どちらかと言うと「日本語が乱れている」「敬語の誤用だ」と言う人向けの本だ。 最近の若者(といっても立派な社会人だが)は敬語が話せない。という話を聞いた。電話で話すときに顕著らしい。

 最近の若者は、知らない人と電話で話す機会はない。電話でのコミュニケーションは相手の顔が見えないし、リアルタイムだから使い慣れない敬語を使うのは、なおさら難しいのだろう。

 若い人たちに話す機会があって、10年くらい前からマニュアル敬語の「~になります。」が気になっていたので、技術者が技術の説明をするときは、ぼかさずに言い切ろう。と言っていたのだが、時代の流れには抗えないようだ。
井上史雄氏は

 それぞれのマニュアル敬語には 、発生と普及の理由がある 。むげに否定することはできない 。ほかの人の論理を思いやる温かさ 、受け入れる鷹揚さが人生には必要である 。

とおっしゃるのだが、丁寧に言おうとしているのか、ぼかしているのか。自分の説明に自信がないからといって、安易にぼかし言葉(マニュアル敬語)を使ってはいけない。

 敬語は修飾語獲得するらしい。だから採用直後の若者が敬語が使えないのは当たり前だ。その後使えないのは、職場で教えていないから、職場で正しい敬語が使われていないからなのか。

 井上史雄氏は

そもそも敬語には大らかに接するのが得策だ 。敬語を使えない人に会ったら 、飾らない 、親しみやすい人だと受け取ろう 。間違った敬語であっても 、懸命に敬意を示そうとしていると 、善意に取ればいい 。かつての誤用はいずれ慣用として認定されるから 、その新しい敬語を採用する人がいてもよい 。慣用には寛容が肝要だ 。

とおっしゃる。

 でもね、そんなに寛容な年寄りばかりじゃないからなあ。


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