「ご清聴ありがとうございました」 <神は細部に宿る>
とある研究発表会を聴いてきた。
気になったのは、発表の最後に「ご清聴ありがとうございました」と言うのは良いのだが、それをわざわざスライドで表示して、そのままにしておくこと。
ひょっとすると、プレゼンの中でそのスライドが一番長く表示されてる。
でも、一番情報量が少ないんだよね。
その前の「まとめ」のスライドを表示しておいてくれればいいのに...
閑話休題
研究部門にいた経験では、研究者は研究内容や研究の結果を話したいものだ。
そこで、マネジメントしていたときには、話したいことではなく、聴衆が聴きたいことを話すように、メンバーにお願いしていた。
聴衆が聞きたいことは十人十色だから、聴衆を想定しなければならない。
- 同じ分野で研究している人なら、研究の詳細や失敗したことなど研究の過程を聴きたいだろう。
- 研究成果を応用・活用しようとしている人なら、研究の過程より研究の結果を聴きたいと思うだろう。
- さらに、研究結果を応用したシステムや製品を使いたい人は、研究の結果より、そのシステムや製品がいつ使えるか、どのような利益をもたらすかに興味があるだろう。
学会のような研究者を対象にした発表会ではなく、組織内の発表会では、聴衆は多様で聴きたいことも多様だ。しかも、発表者の話したいことと聴衆が聴きたいことにはギャップがある。だから、研究者やマネジャーは、聴衆を想定して、その聴衆が聴きたいことを話すようにしないと、発表会を開催する意味が無くなってしまう。
発表していた頃、マネジャーは細部にこだわると思っていた。その後、一聴衆として発表会に参加すると、スライドの図やフォント、色、説明など、詰めが甘いところが見えてしまう。
見やすいスライドや分かりやすい説明はテクニックだから習得は難しくない。追求するかしないか、伝えたいかどうかだ。神は細部に宿るのだ。
そして、マネジャーを経験すると、誰に何を説明しているのかよくわからない発表は、マネジメントの問題だと思うようになった。
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