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2020年3月 7日 (土)

ダイヤモンドプリンセス対応炎上

 ダイヤモンドプリンセスに乗船した岩田健太郎医師がYouTubeに公開した告発動画が物議を醸した。(現在削除されている)この投稿に対して、高山義浩医師がFasebookで反論されている。(友達限定になっているようだ)

 このやり取りが炎上しているようだ。

 医療については門外漢なのでコメントできない。そのような中、

新型肺炎:岩田健太郎教授の告発に反論した高山義浩医師(沖縄県立中部病院)の正論 批評.COM 篠原章 (2020/02/20) の

ぼくも専門家と称してあちこちの現場に入り、スタッフのことなどほとんど考えないで何度も理想論をぶってきた。すると目の前にはポカンとした顔と迷惑そうな顔だけ。「なんだバカの集りじゃないか、ここは」と思った自分がアホだったことを自覚したのはだいぶ後になってからのことだ。

を読んでインシデント対応という観点で考えた。

 インシデントやアクシデントが発生したとき、後から現場に入ることがある。紛争において前線で戦闘が始まった後から前線に加わるようなケースだ。その時に、注意しないと能力が発揮できないばかりか、排除される。

 現場に加わる時に、アドバイザーかアナリストか当事者かいろいろな立場がある。そして、後から加わった人と受け入れる人たちの認識がズレることはよくある。

 後から加わった人は当事者(戦闘員)だと思っていても、受け入れる側はアドバイザー(派遣参謀)だと思っていることがあるし、逆にアナリスト(リエゾン)だと思って加わったら、当事者(戦闘員)を期待されていたということもある。

 現場は常に動いているから、いちいち責任者の命令を待っていられないことも多い。そもそも、責任者は意思決定できなかったりする。だから、現場の裁量は現場の指揮官にある。

 現場の目標は明確だ。被害の拡大防止、損失を最小にしつつ撤退、人命最優先の総員退避などだ。

 現場の指揮官は期待しない者が加わった場合排除したり無視する。当然だ、現場の指揮官は時事刻々状況が変わる状況で目標を達成しなければならないから、目標達成の邪魔になる者は排除しなければならない。現場の指揮官はメンバーと仲良くすることが目的ではない。

 今回の件では、岩田医師は当事者として加わりたかったのだろう。専門知識も経験もあるからその判断は間違っていない。しかし、現場は岩田医師を当事者として見ていなかったから排除された。それも、間違っていない。

 現場の指揮官には、使えるリソースなら排除せず使うことが求められる。現場が求めるメンバーでなくても使えるなら使う。それが指揮官の力量だ。

 重要なことは、目標が達成されていない間の責任論は全く用をなさない、ということ。とことが、当事者でない者は責任論に走りがちだ。

 昔々、インデントの状況を調査するために現場に派遣されたことがある。当然当事者意識はなかった。ところが、現場に入ってみると、応援に来た専門家の扱いだった。1泊で帰るつもりが帰れなくなって結局2週間以上留め置かれて作業を手伝って宿題も持たされた。後から考えると、当時現場には経験がなかったから、指揮官は、物見遊山で来た怪しい奴でも貴重なリソースと考えて引き止めたのだろう。

 強い組織には、力量がある現場の指揮官がいる。

 弱い組織には、責任を回避したがる責任者と、責任論を振り回す外野がいる。


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