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2020年3月16日 (月)

ADALM2000(4) <変調波を出してみる>

 AWGの[Math]機能を使って変調波を出力してみる。

 変調がかけられると受信機の調整に使える。3

〇AM

 振幅変調(AM)波を出してみる。
キャリア(Vc)、変調波(Vs)を

vc = Vc・cos(ωc・t)
vs = Vs・cos(ωs・t)

とする。

 AM波は、Vcの大きさがVsで変化するから

Vam = (Vc+kVs・cos(ωs・t))・cos(ωc・t)

= Vc(1+m・cos(ωm・t))・cos(ωc・t)
= Vc・cos(ωc・t) + Vc・m/2・cos(ωc+ωm)t + Vc・m/2・cos(ωc-ωm)t

変調度:m=kVs/Vc

 これをAWGの[Math]で出力してみる。
変調波を1.5kHz、キャリアを1.125MHz=1.5kHz×750、変調度:m=0.6とすると

f(t)=5*(1+0.6*cos(t))*cos(750*t)

きれいなAM波だ。

Am_1k_125m_m06_awg

SAで見ると

Am_1k_1125m_m06_sa2

ちゃんと、キャリアと上側と下側にスペクトルがある。


〇DSB

 両側波帯(DSB)は、AMのキャリアがなくなったものだから、


Vdsb = Vc・m/2・cos(ωc+ωm)t + Vc・m/2・cos(ωc-ωm)t

 AM波の1項目(Vc・cos(ωc・t))を除いている。

f(t)=2.5*0.6*(cos(751*t)+cos(749*t))

SAで見ると、当然キャリアはない。まあ当然だけどね。

Ssb_1k_125m_sa

波形を見ると、

Ssb_1k_125m_awg

↑の波形をみて、キャリアがないとわかるのは見慣れているからか?

〇FM

 周波数変調(FM)波は、キャリアの周波数(Vc)が変調波(Vs)で変化する

Vfm = Vc・sin(ωct + m・sin(ωst)) 変調指数:m=Δf/fs

変調波を1.5kHz、キャリアを1.125MHz=1.5kHz×750、変調指数:m=3とすると

f(t)=5*sin(750*t + 3*sin(t))

帯域が広がっている。↓

Fm_15k_125m_m3_sa

変調指数が2.4になると、キャリアが消えると昔教えてもらった。

f(t)=5*sin(750*t + 2.4*sin(t))

キャリアが消えている。↓

Fm_15k_125m_m24_sa

 キャリアが消えて何が嬉しいかというと、この性質を利用すると最大周波数偏移の調整ができる。

 VHF帯FM(F3E)の占有帯域幅:Wは16kHz、最大変調周波数:fsは3kHだから最大周波数偏移:Δfは

W = 2(Δf + fs)
Δf = W/2 - fs

= 16/2 - 3
= ±5KHz

 FM送信機の最大周波数偏移Δfを調整するときには、スペアナでキャリアが消えるポイントを見て調整できる。
昔無線屋さんだった時にはスペアナは無ったので、局発がスイープできる電界強度測定器とオシロを使って狭帯域スペアナにしていた。

 m = Δf/fs = 2.4 のときキャリアが消えるので
 5kHz/2.4 = 2083Hz を入力してキャリアが消えるポイントに調整すると周波数偏移は±5kHzになってる。

 でも、いちいちスペアナ出してくるのは面倒だからFM直線検波器で調整してたんだけどね。;p

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 [Math]で発生できる周波数は1つで、関数は、三角関数と指数関数、平方根しかない。もう一つ周波数があって、非線形の関数があるとデジタル変調波が生成できるのだが。 自分で計算して[Buffer]で出力するのかな。



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