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2020年3月12日 (木)

マスク転売 <モラルが異なる人たち>

★古くから日本にあるモラルを持たない人たちが、ネットの匿名性を利用して利益を得ようとした結果なのだろう。モラルで規制できなければルールを決めるしかない。

マスク、消毒液「実売値」で見る異常な売れ行き
店頭価格はほぼ動かず、買い占め誘発の原因か 東洋経済Online (2020/03/04 )

 コロナウイルスの流行騒ぎでマスクが買えなくなっているが、店頭での実売価格は上昇していないらしい。高騰の原因は転売で、ネットではマスクなどの転売が議論を呼んでいる。

 マスクを転売すること自体は違法ではない。(2020/3/15から違法になりました。)

「転売社会の法的問題 ~転売、転売目的の購入はどこまで自由なのか~」 骨董通り法律事務所 (2019/7/9)

にあるように、チケットなど法規制がある物を除くと、転売は商売の基本だ。

 売る側は安く仕入れて高く売りたいが平時の価格は需要と供給のバランスで決まる。

 多くの人が転売を問題視するのは、他人の不幸に乗じたり、買い占めて需要と供給のバランスを崩して高額で売りつける行為だ。

 これは法(ルール)の問題ではなく、モラルの問題だ。

 ネットがない頃にも買い占めや売り惜しみはあった。当時は、情報の伝達時間と物理的距離の制約があったし商品を売るためには実店舗が必要だった。実店舗で便乗値上や売り惜しみすれば、客から苦情も出るし、世間から蔑まれるので心理的障壁がある。今時は、匿名性が高いネット上のフリマで売れば、これらの障壁がなくなるので、障壁は個人のモラルだけだ。

 ところがモラルは人によって異なる。
単一民族単一宗教ならモラルの幅は狭いが、多民族多宗教のコミュニティではモラルは十人十色だからモラルで縛ることは難しい。

 フリマを運営する企業にマスクの転売を規制を求めるのは、他人が自分と同じモラルを持っていると思っている人なのだろう。日本人の多くが同じ価値観を持っていると思っているのかもしれない。ところが、昔と違って日本は多民族、多宗教になっていて、モラルは人それぞれだから規制することは難しいと思う。

 企業にもモラルがある。古い企業のモラルは古いから時代に合わないことがある。一方、ヤフーやメルカリなどの新しい企業は明確なモラルを持っているわけではない。しかし、新しい企業は、市場の反応を見ながらモラルとルールの塩梅を考えて落としどころを見つけているようだ。一見、対応が遅いように見えるが柔軟に対応している。日本で法(ルール)を変えることを考えれば光速くらい速い。

 人間も企業も、ルールだけ、モラルだけを求めても対応できない。


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