ミドルマネジメントのスキルアップ
カッツモデル
人材を「トップマネジメント」「ミドルマネジメント」「ロワーマネジメント」に、スキルを「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」に分類したときの関係を示した図をよく見る。↓
カッツモデルというらしい。
「マネジメントスキルとは?意味や定義、必要な能力の例について (https://mitsucari.com/blog/management_skill/ )」によると、
- テクニカルスキル(業務遂行能力)
与えられた職務を遂行するために欠かせない知識や技術、技術の熟練度 - ヒューマンスキル(対人関係能力)
他者と良好な関係を築き、維持していくために必要な能力
- コミュニケーション力
- ヒアリング力
- 交渉力
- プレゼンテーション力
- 動機付け(働きかけ力)
- 向上心
- リーダーシップ
- コンセプチュアルスキル(概念化能力)
同類となる複数の対象物の共通項を洗い出し、概念といえる要素を見極める能力
らしい。
官僚組織では
以前、教育訓練に関わっているときに気がついた。ロワーマネジメントに対してテクニカルスキルのコースしか用意されていないのだ。(図の赤枠の部分) ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルは自助努力で獲得すべきという方針でもないようだった。 なぜなら、ミドルマネジメントに昇任する際にこれらのスキルは必須の要件ではなく、昇任はテクニカルスキルとロワーマネジメントでの実績だけで評価されるのだ。
このようなモデルを考えた。↓
官僚制は、トップの命令をメンバーが確実に実行するための仕組みだ。大きな官僚組織では確実な実行を管理するために何層かの中間管理職が存在する。そして、中間管理職以下に求められるのは、命令を忠実に実行するための業務遂行能力(テクニカルスキル)だ。
テクニカルスキルだけでよいのか?
20年前と同じ仕事を同じやり方でやっている職場ならこれで十分回る。ところが、5年前と同じ仕事ができなくなっていたり、自分たちを取り巻く環境の変化が早い場合は回らなくなる。
自分たちの置かれた状況を理解して方針を考えるために必要なコンセプチュアルスキルとその方針をメンバーに伝え、実行するために必要なヒューマンスキルが、ミドルマネジメントに無いからだ。
コンセプチュアルスキルとヒューマンスキルは先天的なものではないから、ミドル・マネジメントになっても後天的に獲得できる。 しかし、スキルアップしなくても仕事が回る官僚的な部署がある場合には、なかなか行動に移せない人は多いようだ。 スキルアップしても、ポジションも給料も上がらないとしたら、スキルアップは頭では理解できても行動できない。これを一方的に責めることはできないだろう。
ミドルマネジメントのスキルアップ
では、どうしても、ミドルマネジメントのスキルアップが必要な場合はどうするか?
現状維持で良いと思っているミドルマネジメントがスキルアップの行動を起こすために、働きかける人が必要だ。
そして働きかける人に必要なことは、
現状維持で良いと心を閉ざしている人の、心に届くだけの熱意を持つことだと思う。
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