コーチに求められること <部下の指導に求められることと同じ>
王者、恐るべし。 水谷隼[対談アーカイブ]石川佳純 <卓球王国2015年8月号より> 2021/07/11
今から6年前の水谷隼氏と石川佳純氏の対談記事。
卓球はやっていないので、卓球専門誌は読むことがない。
水谷準氏が東京五輪卓球混合ダブルスで優勝したことで、検索結果に現れるようになって読むことができた。
引っかかったのは、両氏がコーチに言及している部分。
水谷隼氏はコーチの重要性について問われ
日本にはあまり良い指導者がいない。日本の指導者は甘いし、努力が足りない。指導者になった時点であとは教えるだけで、そこからスキルを上げるという向上心が感じられない。海外の指導者は、指導者になった時点でゼロになって、そこから勉強してスキルを上げていく姿勢を感じることができます。
とおっしゃる。
石川佳純氏はコーチに求めることを問われ
強かった選手でもコーチとしては別だと思います。選手として成績が良くても良いコーチになるとは思わない。私は今の自分のやっていることを言葉にできない。たぶん言うこととやっていることが違うと思うけど、陳さんはそれを言葉にできる人です。私がわかるように教えてくれるし、向上心もすごい。コーチになって終わりじゃなくて、一緒に成長しようという気持ちがすごい。
とおっしゃる。
現在の卓球界は中国選手が席巻している。選手層の厚さ、国を挙げての育成システムなど要因はあるのだろう。
1人や2人優れたコーチがいるだけでは、これだけ継続して、強豪選手を輩出することはできないから、コーチの育成にについても成功しているのだろう。
両氏もコーチを中国から招いている。
対談の中で両氏が指摘している、
- 自身がプレーする能力と指導力は別であること。
- 選手と一緒に指導能力を向上しなければならないこと。
- 感覚として得たことを、言葉にできること。
- 相手が理解できるように伝えることができること。
は卓球のコーチだけではなく、部下の育成についても当てはまることだ.
水谷隼氏が日本には優秀なコーチがいないと指摘するのは。
好成績を残した人を、無批判にコーチにし、気合と根性に頼る日本の文化に対する批判なのだろう。
これも、卓球界に限らないことだ。
現場で成果を上げた優秀な人が管理職になって精彩を欠く例は多い。
現場で業務を遂行する能力と管理職に求められる能力は異なるのだが、なぜか現場での野力を評価して管理職に登用する。
マネジメント能力を評価して登用しているわけではないから、マネジメントできない管理職が増える。
定年が延長して中高年は、後進の育成を期待されることが多くなるだろう。
重要なことは、指導する内容が明文化できることだ。気合と根性に頼ってはいけない。
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